3-69／凄く良かった

「それでは私はこれで失礼するわ・・・優子と約束があるから」
「それじゃ、ひかるまた」

何て格好がいいの、と章代は会った瞬間にそう思った
ひかるからは、詳しく具体的に外見も聞いていた・・・あれのサイズまで
それを想像して、聞いたその日にオナニーをしてしまった・・・・・凄く良かった
想像していたのと全く違う
体はガッチリと筋肉質、主人と違いお腹が出てない
ウェーブの掛かったシルバーグレーの髪もいい感じ

何よりハスキーな落ち着いた声
話す話題がまた面白くて、会って一分も経たずに笑っていた章代
えーこんな人が私の恋人に？


章代は昔から男にもてた経験が無い
高校の時、大好きだった人が親友と付き合っていたのを、ずっと後で知った
それでも、短大に行き出して、すぐに出来た彼
初めての男になった彼とは、半年も続かなかった
私の友達と出来ていた・・・また、だった
会社勤めを始めて、すぐに付合いだした男は、同じ会社の課長で家庭持ち
不倫でもいいと思っていたし、５年も続いた

その彼から「紹介したい男が居る」と言われた
それが今の主人で、２６歳で結婚
体よく別れさせられたと気づいたのは、ずっと後だった
たった三人、これが章代の男の履歴書
何の魅力も無い、ただのおばさん・・・・・ずっとそう思っていた


「章代さんは素晴らしい体をなさっていますが、何かされていますか？」
「いいえ、何にも。犬の散歩位です」
「ほう、どんな犬です？」
「ゴールデンの雌で５歳」
「うちには、９歳のラブのオスが居ます」
「えっ、そうなの？」

それからは愛犬の自慢話が続く
「さあ行きしょうか？」
「はっ、はい」
この行くはホテル・・・ああーセックスだ、と考えてしまう章代
椅子から立てないのを見て、京介は手を軽く掴んだ
肘を支えて少し上げると、やっと立ち上がれた

車に乗っても、章代は下を向き黙っている
京介はどうにかして、リラックスして貰おうと、面白い話をするが駄目だった


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