他所の妻2-43／１メートルは

車の中で男はもう我慢が出来ない所まで来ていた
「出てしまう」と伝える
「いいわよ、出して」
「口の中にいいの？」そう聞く男に、咥えながら頭を縦に頷く
出る精液を空気に触れさす訳にはいかない
そんな事になれば、前の二人に匂いで悟られてしまう、そう考えたひかるは一滴も漏らさない様に吸い続けた

「出るっ!!」
「うぅー」と小さく呻きが聞こえると同時に、女の喉に飛び散った
女の左手が優しく根元を扱いている
「こんなに続くの？出るの？」そう女が思う程、凄い量
喉の奥に突き当たるのが分かり、思わず後ろに行きかける頭を必死で堪える

主人や京介の精液を、口で受け止めた事は何度もある
しかし、頭が後ろに行くなんて経験した事が無い
「１メートルは飛ぶなー」と変な事を考える程の勢いだった
やっと迸りが静まると、手で根元から絞り先から滲む液を舐め取った
「飲まなくてもいいのに」
「飲みたかったの」とひかるが答える

結局ブランケットは必要が無く、前の二人は相変わらず話し込んでいた
優子の右手が、夫の建夫の太ももに置かれたままだった
手が微妙に動いているのは、車の振動だけではなさそうで、指の先がペニスに触れてもいる


「寝たふりをしていよう」と翔一がひかるに言う
ブランケットを二人して首まで被り、寝たふりを二人は始めた
暫くして優子が建夫に「後ろの二人、寝てしまったみたい」
「そうか。旅館に着くまであと一時間は有るから、寝かせて置こう」
「そうね、私はナビだから起きていてあげる」
「うん、優しいね、有難う」
「運転しながら、うとうとされては困るでしょう？」
「確かに」

「どうしてひかるさんでは無く、私を前に座らせたの？」
「ひかるはすぐに寝てしまう」
「そうか、でもそれだけ？」
「本当は優子に横に居て欲しかったんだ」
「危ないわよ、そんなの。二人に感づかれでもしたらどうするの？」
「平気さ、私はひかるを愛しているから」
「ご馳走様」
そんな前での会話は、後ろの二人には聞こえなかった


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