4-97／他所の男

ひかるが向きを変え、伊藤の顔に持って行った
伊藤は自らの愛液で濡れる秘唇を両手で開くと、舌先で触れ撫でて行く
ジュルジュルと大きな音を出して啜る
ひかるも負けじと喉の奥まで飲み込むと、舌を震わせ首を振る


建夫が隣を観るのに気を取られている内に、幸子が逝きかけていた
「あーん、逝く逝っちゃうー」
絶叫と共に急に静かになり、隣の啜り合う音が聞こえて来た

伊藤の上に起立するペニスを、根元から先まで往復するひかるの顔が、すぐそこに観える
その顔は、少し苦しそうな感じに建夫には観えた
苦痛では無く、押し寄せる快感に逆らう顔
もっと先に延ばしたいと願う顔
ひかるは昔から体自体も感度も良かった
しかし、これ程までにセックスに貪欲だとは、思っていなかった


＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊
また思い出してしまう・・・・・・・
もうあれは一年も前になる
得意先の接待で、帰りが真夜中になった
お帰りなさいと言うひかるの声と、それに続く言葉が何時もと違った
何か心配事でも有ったか？とさえ考えた

私の顔を見て話さない・・・・・
何とひかるが？そう思った
この前、何時抱いた？・・・・・分らず、酷いなと思った
その日を境に、ひかるは見る見る変わって行った
そしてたまに髪の毛からは、僅かなセックスの匂い、精液の匂いが嗅げた


何故怒りが沸かないのか、解らなかった
普通なら、自分の妻が不倫をしている、そう分った時点で怒り心頭になる筈
それなのに、他の男に抱かれて喘ぎ悶えるひかるを想像すると、異様な興奮を覚えた
他所の男に抱かれるひかるを観て見たい・・・・・その願望が日に日に昂まって行った
そんな時に、優子の旦那とのセックスを観た
そして、伊藤の言葉「いい女だ。一度でいいから抱きたいものだ」


その念願が叶って、今こうして観ている
嫉妬は有るのに、それ以上にこの惑惑、ぞくぞくとする感情
他所の男のペニスを美味しそうにしゃぶる妻
他所の男に抱かれて喘ぎ悶える妻
ああーこの気持ち、何て堪らないんだ

早く入れるんだひかる
そして早く喘いでくれ
早く悶える体を観せてくれ


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