打算-65/愛想を良く

さっき時計を見てから１時間が経っていた
そんなに記憶が無くなっていた？
大野は梨佳が帰ろうとしないので聞く事にした

「５時になりましたが、帰らないと行けないのでは？」
「今日は泊まる積りで」
「何故それを早く言ってくれないのですか。慌てなくて済みました」
「ご免なさい・・・頭がスッキリしません」
「すぐに治ります。８時になれば沖縄料理を食べに出ましょう」
「はい」

「これだけ運動をすれば、栄養の補給が必要です」
「ええ」
「寝る前にもう一度させて貰って良いですか？」
「またされるの？」
「嫌ですか？」
「いいえ、喜んで」

「良かった。梨佳さんに嫌われてしまったかと思いました」
「とんでもない。こんなセックス初めて」
「良かったですか？」
「感じ過ぎて」
「それは良かった・・・また会ってくれますか？」
「ええ、勿論」
「有り難う」


本当に食事の後、梨佳は１２時過ぎからまた２時間も抱かれた
何回も往ったと言うのでは無く、抱かれている間中、来ては遠のきの連続
そのまま寝てしまい、朝起きるとまた抱かれた

タクシーで家の近くまで送って貰ったが、梨佳はずっと大野のそれを握っていた
大野もまた別れるまで、梨佳のそこに手を宛ててくれていた
まるでよく言われる海の波の様だったと、家に辿り着いてから思った


４日後に呼び出されて４時間抱かれ続け、その一週間後はまた昼から夕方までずっと
そんな具合に続き、５月の連休が過ぎたある日
何時もの様に、往きっぱなしでグッタリしている梨佳に、大野が話し始めた

「今度またドイツの客の接待があるんだ。ホスト役を頼んでいいか？」
「いいわよ」
「中田も来るから、愛想を良くしておいた方がいい」
「そうね」


「この秋に一人、部長の空きが出る」
梨佳が直ぐに反応した
「うちの主人は？」
「三人の候補の中に入っている」
・・・・・３人に一人


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