打算-50/帰宅

口から外すと、恐ろしい言葉が飛び出した
「３回にしようかなー」
・・・・・おいおい、勘弁してくれ
大学で仕事に役立つとの理由で、心理学の単位を取らせたのは私だ

「貴方の事は奥様より詳しいのよ」
「解っています」
「素直なので、２回で許します」
・・・・・あー、よかった

「もうこんなになりました。喜ばせてください」
「はい、そうします」
「すぐに入れるのですか？・・・・・私には舐めてくれない？」
「いえ、舐めさせて頂きます」

ベッドに脚を大きく開いて、手でもそこを開いている
誰だ、こんなに厭らしくしたのは？
あーあ、私しか居ない、私だ

舐め出してすぐに往きそうなのか？
「来て、早く入れて、往きそうだから早く」
すぐに背中を仰け反らして往ってくれたが、秀一はまだ往きそうも無い


それでも何とかノルマを達成した
「今度から、２回にしましょうか？」
・・・・・そんなー

「冗談です。ジェラシーからちょっと意地悪を言っただけ」
「毎回出すのは無理なのも分かっています・・・・・わたしを喜ばせば許します」
「はー、有り難う」
「さー、シャワーで洗ってあげます」
「貴方ってやっぱりタフね・・・頼もしい」



３連休の２０日の土曜日、秀一は５年ぶりに家に帰った
「貴方、お帰りなさい。ご苦労様でした」
「お父さん、お帰り」
「二人とも元気そうだ。引越し大変だったか？」
「そうでもなかった」
「お母さん、元気そうだな」
「まだ当分くたばりません」
「ああ、長生きしてくれ」

横浜の住み慣れた家では無く、初めての家で秀一は何か落ち着けない
二人に会うのは、この前本社の会議以来、４ヶ月ぶりだった
別に長く会ってなかった訳では無い
風呂に入り食事も終わって、いよいよ奈々子を抱く事にした


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