甘いヤツ-7／中村章代

「ふーん。　だったらお寿司は？」
「あれは当てずっぽう。　但し、金持ちは体型を気にする」
「だからお寿司？」
「彼女は太る体質なんだ。　だから肉は食べない。　といってベジタリアンにもなりたくない」
「となると、寿司は美味しいし健康にいい、美容にいい」
「ふーん、そうか」

「・・・どうして太る体質だと分かるんです？」
「それこそ経験なんだ。　答えにならないよね」
「ええ」
「体全体を見ると解ってしまう。　骨格で解るんだ」
「こっかく？」
「そう、彼女は骨太だから、当然筋肉も贅肉も付き易い」
「ふーん」
「週に半分はジムに通っているよ、彼女」
「逆に鈴木さんの様に骨の細い人はデブにはならない。ジムで頑張らなくてもね」
「ふーん」

「恋人いる？」
「今、いません」
「健康に悪いね。　定期的にセックスをしないと」
「ええ、そうなんで・・・・・さっき会ったばかりなのに、そんな事」
「だって、折角綺麗でセクシーでオッパイも大きくて、お尻も形が良いのに」
「すぐ垂れるぞ。　それに化粧を濃くしないと艶も悪いね」
「当っているだけに、参ったなー」



「いらっしゃいませ。　今日は何をお探しでしょう？」
「今週末にパーティが有るの」
「どういった感じのパーティでしょうか？」
「アメリカ大使館で毎月ある」
「それでしたら正装では有りませんね」
「準にもならない」
「解りました。　こちらでお待ち下さい」

選んだのは今年のSSの看板商品で、すべて一品モノだった
サイズもワンサイズで６のみ
勿論、体型に合わせ直しはする
薄い緑のシャツとスカート
シャツはブラの所以外がシースルー

これを着た彼女は最高に可愛く見える筈
それにセクシーに
矛盾した二つがピッタリと合わさる


「うわー素敵、このデザイン、それにこの色」
「着て見せてください」

「胸の３分の１が見えるし、お腹も」
「セクシーですが、品があります」
「そう？　似合っている？」
「ほら、鏡でみて下さい。　私より貴女の目で」
「うわー、いいわー」

「宜しいですか、これで？」
「ええ、これ気に入った」


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