他所の妻144／傷ついた

どう言い訳をするかなと考えていた静子の方が、呆気に取られた
「あっさり認めるのね」
「事実だから隠しても仕方がないよ」
「別れる？」
「よしてくれよ。単なる浮気なのに」
「私はプライドが傷ついた」

そうに違いないと木村は思い、さてどう謝るかと考える
「今でも愛しているのはお前だけだ」
あらあら、愛してるなんて何年ぶりかしら、と静子は思い出そうとする
いつだったか思い出せもしない


木村と秀美の事を、ひかるはつい最近まで全く知らなかった
坂本がホテルで優子に相談した日から暫くして、ひかるに伝わる
そして、静子と秀美にも直ぐに伝わった

「知らぬは男ばかりなり」それがここでも言えた
不倫や浮気をするのは、男の方が数は多い
しかし、特定の相手と長く続けるのは女の方が遥かに多い
セックスに於いては、紀元前の昔から女の方がずっと進んでいる
今やデリヘルは女性向けがどんどん増え、その反対に男性向けは減る一方


「よく言えるわね」
「だって本当だから」
「その割にしないのはどうして？」
ここで飽きたなどと言ってはやぶ蛇になるのは分かっている
「スワッピングをしないか？」


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