他所の妻145／すんなり

木村からスワッピングをと言われ、静子は怒った顔のままで居るのが辛くなって来た
「坂本さん達と？」
「ああ」
「出来ないわよ、そんなの」
「私たちも復活出来そうに思うんだ」
「随分勝手な言い方に聞こえるけど」

ここからが難しいと木村は考えた
下手な事を言うと元も子も無くなるので、言葉を選んで続けた
「もう４・５年も無いだろう？嫌いになったからとか、飽きたからでは無いんだ」
来年で銀婚式を迎える二人にとって、そりゃお互い飽きも来る
そんな事はおくびにも出さずに、木村は話し続けた

「ただマンネリなだけなんだ・・・だから、お前もしてみないか？」
「スワッピングをした夫婦は、また仲良く遣り始めると聞くよ」
「そうかしら？」
「みんな言っている」
長々と口説く木村を見て「熱心なこと」そう静子は思う
「考えておく」
「あぁ、そうしてくれ」
「私が貴方の幼友達の坂本さんに抱かれても平気なの？」
「嫉妬はするさ。しかしそれが興奮するらしい」
そこでその話は途切れてしまう


秀美と坂本とはもっと進んでいた
「私は別にいいわ。どうせ貴方の浮気は昔からだし・・・隠れてされるよりいい」
「然も知っている人の方が安心だし」
こちらはすんなりと決まった


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