他所の妻137／知らぬは

「これではひかるとの回数が減ってしまうな」
そう考えていると、木村にとっては結構早めに射精感が訪れた
すっと抜くと、秀美の顎にまで飛んでいる

「元気なこと」
「ご免」
「顔に飛ばしても平気だから」
「それじゃ今度そうする」
「えぇ、ぜひ経験させて」


「何てこと言うのかしら」
そう秀美は思う程、恥じらいも無く素直になっている自分が可笑しかった
幾らセックスをしたからと言っても、秀美の言葉とは思えない
厳しい母親に育てられた秀美には、セックスの話題は口にする事柄では無かった
まして、主人でも無い他所の夫には
女好きの坂本はそんな秀美が気に入り、８歳も年下にも拘らず結婚した


広いリビングの向こう端から、ずっと覗いていた坂本にとっても意外だった
セックスに自信の有る坂本もショックだった
あんなに悶える秀美は見た事が無い
ついこの前、木村から聞かされた言葉が甦る
「女房の事をどれ位分かっていたのか、分から無くなった」
「俺も同じだ」


「知らぬは亭主ばかり」
この言葉もよく耳にします
大人しい、派手さも無ければスタイルは普通で綺麗でもない
何処にでも居る普通の主婦
見るからにそんな女性が不倫をする
そう見えるからばれない、見破れない


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