他所の妻143／面食らう

「昨日だんなから、やっとしようって言って来た」
そう言う静子に秀美が微笑み、そして答える
「本当？・・・そう」

木村と坂本には知らない事がある
ひかるの上の子が小学校に入った時、静子がPTAの役員をしていた
その２年後、静子の子供が卒業すると、引継ぎで役員になったのが秀美
静子と秀美はその後も何故か気が合い、友達になっていた
夫の木村が家に坂本を連れて来て、色々と話す内に静子は驚いた
しかし、何故か秀美と友人だとは言わないで居たのが不思議
そして、以前からセックスレスの二人は、スワッピングを出来ないかと話をしていた


「貴方、私に隠し事をしてるわね」
パジャマに着替えてベッドに入ろうとした時、木村は静子からそう言われた
木村にとって思い当たることは幾つかある
頭の回転の速い木村は考える
「誰との事を感づいたんだ？下手に話すといかん」
木村は頭の中が目まぐるしく動く
そこで言い返した
「何のこと？」
「秀美さんよ!!」

ひかるでは無く、秀美さんか
木村にはどうしてばれてしまったのか、見当も付かなかった
参ったと思わずには居られない
「知り合いが、秀美さんと貴方をホテルの駐車場で見かけたって」


こんな場面では、たいがいの男がしらを切る
しかし木村は違った
「ご免。確かに秀美さんと浮気した」
これには静子の方が面食らってしまった


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