打算-31／怪訝な目

中々美味しい食事で、料理が上手いと言うのは嘘では無かった
試験は合格
マレー系のユェミーだが、中華を作るのが多かったらしい
里親が中華系だったのだろう、おそらく


「店に寄ってユェミーの精算して来た」
「有り難う」
「５００ドル安くさせたぞ」
「ちゃんと月々返してもらう・・・月に５０ドルでいいかな？」
泪目で頷くユェミーはとても幼く見えた

「歳は幾つ？」
「２０歳」
「本当の歳」
「もう直ぐ１７になります」
「誕生日は？」
「３月３日」

あと５日・・・・・ひな祭りの日か
「その日は、日本では女の子のお祭りなんだ」
ひな祭りの説明にじっと聞き入っている
「分かった。明日ユェミーの服や靴を買いに行こう」
「少し早めのバースデープレゼントを買ってあげる・・・テレビを見ていいよ」
嬉しそうに直ぐに点けた


日本のデパートへ翌日行き、服や靴を３セット、ジーンズも３本
下着はブラとショーツを７枚ずつ買ってやった
女性下着売り場に平気で入る秀一を、怪訝な目で見ている
「恥ずかしくない？」
「何故恥ずかしい？」
ユェミーには秀一が理解出来ず、訳が分からないらしい

「これを私にプレゼントしてくれるの？」
「ああ、買ってあげる」
「・・・・・頂きます」
何をかしこまって、そう秀一は思った

それに３２型の液晶テレビ
一番これが嬉しそうに見えた
昼にはイタリアンレストランでパスタを食べ、日本のスーパーで食料品を買わせた
野菜も果物も肉類も、一つずつチェックしている
中々厳しい目利きに感心して、全て任せる事にした

幾ら車とは言え、４時に帰って来た時にはかなり秀一は疲れていた
この湿気、よく平気でこちらの人は外を歩ける、そう秀一は何時も感心する
汗を掻いたのでシャワーを浴びたが、ユェミーは全く掻いてはいない


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