打算-29／プライド

そんな交渉をしているとピザが届き、その一つずつを手渡した
「お土産に持って帰るといい」
二人とも親と一緒に住んでいると先ほど聞いていた
お腹が減っていたらしく、３切れずつ食べている
秀一は２切れとおつまみ、ビールで十分


「テレビを見ていい？」
そう年下の娘が遠慮がちに聞くので、リモコンを渡してやる
掛かったのは歌番組

秀一はウイスキーに代えようと用意していると、年上の娘が作ってくれた
どこかで以前に働いていたのだろう
１１時前にテレビを消すと、バスルームを使いたいと言う
二人で入るらしい

暫くして、はしゃぎながらドライヤーを使っている音が聞こえ、バスタオル姿の二人が現れた
秀一の両サイドに座ると、身体を擦り付けて来る
「別にセックスはしなくてもいいよ」

「こんな私たちだってプライドがあります」


何処かで聞いた台詞だった
韓国でもかなり昔に聞いた
そして何年か前、ドイツでだった
ルーマニアから来ていた、若くて綺麗な大学生
秀一には必要もないガイドを頼み、１０日間一緒に居た
２ヶ月の長期出張になった時には、フランクフルトで一緒に暮らした
その女とは未だに連絡し合って、ドイツに行く度に会っている
その時と同じフレーズと口調
・・・・・プライド、か。そうだな


「よーし、俺は強いぞ。お前たち二人ともクタクタになっても知らないからな」
二人が笑い出すと、服を脱がせに掛かる
裸にされると上の娘はキス、そして年下はフェラチオ
秀一にとって３Ｐは久し振りだ

３時間の間に、２つのコンドームに溜まった
「もうギブアップ」
そう二人に答える
「全然クタクタになってない」
そんな憎たらしい返事が返って来た
やっと打ち解けたのか、ケラケラと二人が笑う
そう、セックスほど世界中で仲良くなれる行為は無い


翌朝目が覚めると、美味しいそうな匂い
二人で朝食を作ってくれていた
食べ終わり、年下の娘が洗い物をしている時、年上の娘が話し始める

「ユェミーを泊り込みの家政婦で雇って貰えませんか？」
「私は来なくていいので」
「ユェミーは料理が出来るか？」


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