打算-11／渇き

大野が奈々子の手を取ると、また掴ませた
「私ってこんなに積極的で厭らしい女だった？」・・・いいえ
奈々子はワインの所為にした
「そうよ、酔っているからよ」

「あぁー欲しい、これをあそこに欲しい」
きっと今の私の顔は、欲しそうな厭らしい顔をしてる
そう感じると喉が渇き、グラスのワインを一気に飲み干した

デザートが出てきた頃には、かなり気持ちが良かった
ワインの所為以上に、大野の態度と行為がそうしていたのは間違いない


「少し飲み過ぎました」
「大丈夫ですか？・・・・・取引先用に常時部屋が取ってあります。少し横になって酔いを醒ましては？」

やはり誘って来た・・・それもストレートに
「いいえ、大丈夫です」そう答えればいい
そして、迎えに行くと伝えればいい
しかし、口から出た返事はさっきの結論と違っていた

「それなら・・・少し横にならせて頂いて構いませんか？」
「はい、行きましょう。案内します」
当然のようにフロントに寄る事は無かった


エレベーターが３５階で止まり、奈々子はさっきから尻に感じる大野の手に神経が行っていた
強くも弱くもないその撫でる手の感触、腰が痺れそうだった
部屋に２本の脚が入ると、後ろでカチャッとドアの閉まる音が耳に響いた
もう後戻り出来ない

あとから入って来た大野に、後ろからすぐに抱き締められる
手が胸を掴み揉み出した
「あぁー、だめー」
「奈々子さんを初めて見た去年の秋から欲しかった」
「そんな・・・・・」


昨年の１０月、会社の運動会で夫に大野を紹介されて居た
「大きなお腹」
そう思った事しか奈々子は覚えていない

大野は奈々子のジャージ姿を見て
「なんていい身体をしているんだ」
そう考えていた


「奈々子さんのジャージ姿を思い出す度に、ここを大きくしていたのです」
そう言う彼のペニスが腰に当たっている
それをグイグイと押し付けても来る
奈々子には彼のそれの硬さがよく分かった


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