- 名前
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- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女っ】34-5、おかえり松並先生
2011年09月30日 04:57
「ごはんごはん~。腹減った~」
茶碗ネガイナーは仰向けになり、手足をじたばたさせる。これではごはんを配膳できないではないか状態。
その仕草は小春にとって、良く知ってるものだった。
「兄さん!」
小春は叫んだ。亡くなった兄・秋紀が拗ねて甘えたりするときと同じ仕草だったのだ。
「コハル~。腹減った~。ごはん~」
回想。
「きゃっ」
松並先生が足を滑らして
ずてーん
と転ける。
うちポケットに常時携帯していたカードデッキをぶちまけてしまう。
そのカードのいくつかが、魔力を帯びた琴特製スイーツに反応して覚醒、暴走し、部屋を引っ掻き回す。
かねてより自由に憧れていたキング4枚ジョーカー2枚はこの機会を良しとしてカードのまま浮遊し静観。
ところでネガイナーカードは「願いのチカラ」つまり想いが強いものに引っ張られる性質がある。
何の変てつもない、言わばヒラのカード一枚が、高瀬邸台所の戸棚の奥底に大事にしまわれた茶碗に引かれていく。
ずぎゃああん
茶碗を取り込んだカードはその場で最強クラスの潜在能力を秘めた事になる。
そしてキングとジョーカーは脱出の際に、他のいくつかのカードを伴い従えたつもりだったが、実は逆にうまく操られていたというわけだ。
茶碗はかつて兄が使っていたものだった。母がその死を認めず配膳していたものだった。そして整理のついた母がその配膳をピタリと止めたものでもあった。
「兄さん、帰ろう」
「ぴよぴよ」
アドルフが白いカードを渡す。空白の封印用途のカードだ。
雪だるまの件で、小春は使い方を知っている。
「ごはんごはん~!」
しゅううう~
敵意のなくなったネガイナーはカードに吸い込まれ、カードは小春の手元に行く。
「終わった~」
肩で息をする麻衣子。
「まだ終わらないサラ!」
妖精姿になったサラが何やら念じる。
「サラサラ~ササノハ~♪」
撃破したネガイナー達の「願いのチカラ」を浄化して回収する手続きである。サラは千歳と有希が倒すネガイナーを担当するが、有希から能力を引き継いだ麻衣子が倒したわけなので、やはりサラの収穫となる。
「大漁大漁~♪」
ポカリ。
「……空気読め、バカメイド」
茶碗カードを抱きしめ微笑む小春を見守る面々だった。
キングジョーカーが祓われた事で、松並先生の病状は嘘のように改善し、翌日には職場復帰が可能となった。
「おかえりなさい、松並先生」
ぶるぶる震えながら校長は言った。
「あの、その、わたしは実は……」
クビを覚悟していた松並松見はおそるおそる告白する。
「知ってましたよ。あなたが悪の手先だという事は」
ぶるぶるしながら校長は柔和に語る。
「だからこそ、廃部の危機にあった演劇部を宛がったのです。本来は更正のつもりでしたがね。しかし、あなたは演劇部を見捨てなかった。もう答えは出てたのですよ、松並先生。これからも教師、頑張ってください」
「は、はいっ」
「……ん。これで若草が揃ったわね」
部室に遊びに来ていた有希は、そう講評した。
若草物語は、4姉妹だけでは成立しないのだ。その成長を暖かく見守り時には対立し、時には支える、4姉妹の母・マーチが不可欠なのだ。
そのマーチ……松並先生が戻って来た。
「ただいま!」
34話、終わり。
<良い子の諸君!>
アドルフ「ぴよぴよぴよぴよ!ぴよぴよ、ぴよぴよ、ぴよぴ~よ!」
麻衣子「何言ってるかわから~ん!(スリッパクラッシュ)」
アドルフ「ぴよ~~」
茜「見事な連携……嫉妬です~っ」
小春「やきもち妬いて、本当の気持ち、見失っちゃだめだよ!にっ」
キラーン
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