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【魔法少女っ】33-2、お腹の拳で語れ!

2011年09月22日 03:03

……で。
どうしてこうなった
と春夏は愚痴た。
「さぁ」
とサラ。目の前では鍋がくつくつ煮えている。
「今日はラーメン鍋ですよー」
と茜の父が言った。
「しかし、わたくしがゴショウバンにあずかって宜しいのでしょうか」
サラは高瀬家に用事があって清澄邸に来た。夕飯をご馳走になるのはなんだか恐縮だ。
春夏も、嫌なやつ(サラ)と一緒に食卓に着くのを良しとしてない。
「鍋はたくさんの人数で食べるのが美味しいです~」
と茜父。その理屈はわかるが、「嫌なやつと食卓を共にすると不味くなる」というこっちの理屈はスポイルかよ、と春夏は思った。居候という立場で言えないのが悔しい。
「まぁ、金持ち家庭の美味しい料理に馴れたメイドにシモジモのゲセンな料理を食らわせてやるですよ~」
茜父は黒い笑みを浮かべた。
「うぐ」
ラーメン鍋はたくさんの野菜をたくさんの即席ラーメン(塩味)で煮込んだお手軽鍋だ。肉魚は入れない方が美味しいが、ソーセージやハムベーコンを入れてみるのもオツである。
「うまそう~!いただきます~」
小春は遠慮なく食べはじめる。
「さすが小春です。負けないですっ」
茜も続く。
「ではわたくしどもも……」

「ぷはー。食った食った」
春夏とサラは苦しそうにしている。サラは自分が何しに来たかを忘れそうだった。
そうだ高瀬リフォームの提案だった。
「お断りだっ!誰が息子を殺した会社の施しを食らうもんかっ」
転がりながら、春夏は拒絶の意思を伝える。
「こういう時に友人の助けは借りるものですよ」
「誰が友人だっ!」
ゴロゴロゴロゴロ
小春さんとお嬢様ですよ」
ゴロゴロゴロゴロ…。
「あきのりを喪い家をもやされ、娘を敵に取られる!なんてあたしゃ不幸なんだ。バッキャロー」
ゴロゴロどかどか。
「不幸はお互い様です。何がかなしゅうて、あんなスケベオヤジメイドなんかせんといかんのだ。あたしゃ向こうではお姫様なんですよ」
体当たりの拳で語らうサラと春夏。
プライドがあるなら、こっちのプライドも察しろや~バカサラ」
どかっ
「いつまでもウジウジしてるんじゃないわ~バカはるかっ」
どかっ

……。
熾烈な闘いの果て、サラは人間態を保てず妖精(猫っぽぃ)に戻ってしまった。
「良い腹ごなしになったわね」
すっきりしたサラ」
拳で語らう友情が成立した模様だ。変な拳だが。
デザートを要求するっ」
居候の癖に生意気です~」
茜父はそう言いながら、プリンを2つ置く。
「……まずは計画書を持って来なさい。話しはそれからだ」
「わかったサラ。とびっきりのリフォームプランにしてやるサラ」
「ところさんくらいでないと納得しないよっ」
「なべあつが家庭訪問してオモローって言わせる勢いサラ」
あのひとはなべあつと違います~。

「ヒャッハー!自由って良いな!やっぱり」
夜の河原で勝ち誇る、キングジョーカーネガイナー。
後ろには打ちのめされたチンピラどものししるいるい。気絶だが。
「どうする?めっちゃ強いぞあいつ」
「そんな事言われても。倒しに来たんだろうが」
物陰で会話するサダムとムッツリ。
「正直、勝てる気がしないんだ」
「4将軍一番の実力者というトータクのチカラは伊達ではないとはわかったが、これまでこれほどのを制御下にしてたのか」
感心するムッツリ。
魔法騎士に退治してもらって、そのチカラを横取りするのはどうだろう」
「さすが卑怯将軍。てか、その策しか取れなくね?」
「そうだな。なかなか現れんな、コバルト……魔法騎士どもは」

「うひゃひゃひゃ。もっと暴れるぞ~」

続く!

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