- 名前
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- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女っ】33-3、RTH~リンチと街と英雄と
2011年09月23日 04:13
演劇部なのだが、ようやく稽古も軌道に乗ってきた感じである。裏方業務な人々も次々と技と小道具を完成させて行った。
「顧問が病欠なのがたまに傷だよね。早く戻ってくんないかなぁ」
「あの~。皆さんは気掛かりじゃないのですわ?松並先生は敵の幹部だったんですのに」
千歳がいぶかしがる。
「あたしゃ、松並先生が敵だった事より、倒れて入院した方がショック大きいよ」
と小春はしれっと言う。彼女の性格だから、松並が退院して復帰した時に、何もかも忘れて普通に受け入れてそうだ。
一方、闇の魔法騎士の「着替え」を見た麻衣子は、正体側と面識がなかったため、特にどうということはない。
おもむろに新聞を読む麻衣子。
「謎の仮面ヒーロー。まためお手柄」
紙面にはそう書いてある。
あの暴走ネガイナーはあろうことか、良いことをして回ってるらしい。
例えば。
「キャーひったくり~」
「わはははは」
「なんだお前は」
待ち伏せる。
「キーングジョーカー!」
「うぎゃああ」
挨拶がわりの胯間ビームでひったくりを気絶させる。
こんな感じだ。正直ヤツがなにかんかえてんだか読めない。
「ヒーロー気取りなのかな~」
ヤツは悪人しか狙ってないのも怪しい。松並先生も悪人扱いだろうしね。
「単にかっこつけたいだけです~」
茜はのんびりとそんな結論を口にした。
「え」
「小春ならわかるんでないかなです~。魔法少女になりたての時に誇らしげだったですっ」
「世界の平和を守るために闘う魔法少女。なんかかっこいいじゃん!」
パチンコ屋。
「うー。困った~」
負けて持ち玉がなくなって困った青年。
「わははは」
勝ち誇るポーズでキングジョーカーが現れる。
「ひいっ」
「助けてしんぜよう」
ひとつだけ玉を取りそこに胯間ビームを浴びせる。
「これでやってみるが良い」
「?」
やってみた。……玉は入った!
ガビーン!
ウィンウィンウィンウィン!
「暴走!暴走!暴走!」
なんと筐体が狂い、かつてない大フィーバーに。
ドル箱がいくらあっても足りない。
やがてパチンコ屋じゅうの全てが大フィーバーになった。
「おどれら、何しやがる」
パチンコの経営者のヤクザがキングジョーカーに因縁をつけてきた。
ばぎゅーんばぎゅーん
ちょいんちょいん
「何だと?チャカが効かないだと?」
「わははは。纏めてかかってこい!」
群れるヤクザども。次々とチャカを撃つが、全然効かない。
「わははは。この程度か、悪人ども。おまえらに生きる価値はない。キーングジョーカー!」
「ぐぎゃあああ」
胯間ビームで次々と倒れるヤクザども。
「冷たい牢屋で一生を終えろ。さらばだ」
警察に連絡入れて、パチンコ屋を去るキングジョーカー。
「良いことしたら腹減ったな」
コンビニに入るキングジョーカー。
「いらっしゃいませ。おにぎり暖めますか?」
コンビニでおにぎりを買うキングジョーカー。おにぎりは13個。
「それにしてもお客様。ヒーローマスクの下の姿がみたいですね」
可愛らしい店員さんにそう聞かれるキングジョーカー。
「いやぁ。鳥頭だから恥ずかしいんですよ」
「そうなんですか。でもわたしは気にしませんよ。男の魅力は顔だけではないですから」
チーン。
「おにぎり暖まりました」
「ども」
おにぎりの入った袋を受け取るキングジョーカー。
「にこっ。また来てくださいね」
スマイルゼロ円。
「お、おう」
普通に恋もするキングジョーカーだった。
自由って良いなぁと噛み締めるのだった。
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