- 名前
- たかふみ25
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- 年齢
- 40歳
- 住所
- 山形
- 自己紹介
- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女っ】29-5、降臨、闇の魔法少女っ!
2011年09月05日 05:30
「はぁ…はぁ…はぁ」
息を切らして倒れる千歳。
「休んでろ。もう安心だ」
凛とした声がそう告げる。彼女は千歳の方を見ていない。
「あらあら。でも寝ちゃダメよ。私達のこと知ってもらわなきゃ」
おっとりした声の主は、トータクに鎌を突きつけながらニコニコしている。
「お前たち、一体何者だっ?」
トータクが尋ねる。
「あらあら。大体察しはついてるんでないかしら?でもちゃんと名乗るのが礼儀よね~」
おっとりは鎌からトータクを解放して跳躍した。合わせてもう一人も跳躍し、屋上の非常用給水タンクの上に立った。
「静寂は闇の調べ。暗闇の魔法騎士、ダークコード」
凛とした声はそう名乗り。
「かきならすは冥府への夜奏曲。闇影の魔法騎士、ダークシンフォニー」
おっとりはそう名乗った。
「魔法騎士だと!」
そんなバカなって顔をするトータク。
「あらあら、魔法騎士は全部で13席あるって言われているのよ~。その範囲内ならばいくらいても可笑しくはないわ。うふふっ」
シンフォニーは悪戯っぽく笑う。
「それにしても急激に増えすぎだってばっ。めっさつばくえんは~」
千歳に向ける筈の大砲を闇の魔法騎士に向けて発射するトータク。
難なくかわされる。
「姉者。とにかくこの二体のネガイナーを倒そう」
「あらあら、了解よ~……ちゃん」
朦朧とした意識は会話の把握を妨げる。
「ハブハブ~!」
ハブネガイナーはコードを巻き付けんと襲って来たが
「ダークブリザード」
残暑に似合わない吹雪によって動きが鈍る。
「…冷気魔法…?」
「ハブハブ~」
なすすべもなく、コードの格闘に曝されるハブネガイナー。
コードはかなり俊敏な動きで、かなりの運動神経の持ち主だった。
「速さは強さだ」
コードは黒髪ショートの少女だ。言動は男の子ぽいが、顔は端整な女の子である。千歳にはどっかで会ったような錯覚もする。
「ハブハブ~」
いつの間にか、氷の刃で標本状態にされたハブネガイナー。
目を移すと空中戦を展開しているシンフォニーとサーキュレータ。
「何回やっても何回やっても~」
「あらあら。何回もやるなんて見苦しいわよ、うふふ。一回でスパッとよ」
敵の小型竜巻を全て黒い衣服で受け止め、無効化する。どういう理屈だ。
ざしゅざしゅっ
自慢の鎌で、サーキュレータの手足を切り裂いていく。
どすーん。
屋上に落ちるサーキュレータ。
「……ちゃん。そろそろとどめと行きましょう。うふふっ」
「…や…やめて……それはゆきさんの…かたき…わたくしが……」
千歳はヨロヨロと動く。いつの間にか変身が解けていた。からだの弱い千歳ではどうしようもできない。
「せめて美しく散れ。ダークテンペストっ」
「ハブハブ~!」
ハブネガイナーを釘付けにしていた氷の刃は魔方陣の配置であり、それが攻撃魔法効果を増幅し、コードの必殺技となる。
もはや温度を超越した破壊がハブネガイナーに施される。
しゅううう~。
「かきならせ、闇の葬奏曲。暗黒の太陽のもとに。ダーククリムゾンっ!」
「何回やっても~」
「ああっ……」
ちゅどどど~ん。
シンフォニーの大技は、容赦なくサーキュレータを焼き付くした。
「姉者、浄化完了だ」
ハブのぬいぐるみを持ちながらコードは言う。
「あらあら。ぬいぐるみよりも願いのチカラが重要よ~……ちゃん」
「勿論、回収したぞ」
小瓶を見せるコード。シンフォニーは微笑む。
「まだ2つしかないけど、こつこつ貯めて、あっというまにいっぱいになるわよ~偉い偉い」
シンフォニーはコードをなでなでする。
「姉者やめろっ…千歳…他人の目があるから」
コードは千歳を知ってるようだ。まあ下調べでもしてたんだろう。
「千歳ちゃんもなでなで…。良く頑張りました」
シンフォニーは千歳を助け起こし、車椅子に乗せた。
去り際に闇の魔法騎士はこう言った。
「これからはボク達がいるから安心だ」
「そうね。ふふふ。今までご苦労様…負け犬さん」
「ちょっ!姉者っ」
残酷な優しさは深く千歳を傷付けたのだった。
第29話、終わり。
<良い子の諸君!>
松並「決闘が終わったら、ちゃんと後片付けをしましょうね。へくちっ」
泣く泣くバラバラになった扇風機を片付ける松並先生だった。
ちゃんちゃん
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