- 名前
- 京介
- 性別
- ♂
- 年齢
- 71歳
- 住所
- 神奈川
- 自己紹介
- 30歳未満、未婚、ログ更新の無い方のメールお断ります。 犬猫が大好きで、勿論女性はそ...
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第二節 辛かったこと、真央
2010年02月16日 01:08
夢を抱いて-6/「サザンクロス」
ひなたが勤めだした店のママは、オーナー経営者で48歳になるいい人だった
26歳の既に結婚をしている一人息子が居り、このママでなかったらとうに辞めていると思っていた
そのママの次ぎの歳がひなたで、先にここに来ていた先輩の子たちより頼られている
お酒は殆ど飲めなかったひなただったが、今では少しは飲める様になった
歌は全く唄えず駄目だったが、毎日唄う所為かましにはなって来ている
そのカラオケを教えてくれたのが紫野という常連の客で、他の客のように笑うことも、からかうことも無く教えてくれた
しかし、最初の頃はどこか別れた男に似ている紫野を、ひなたはどうしても好きになれないで居た
一緒にこの店で働く藤野真央もシングルマザーで、同じ託児所に預けている
すぐに仲良くなり、いつも一緒に預けに行き、迎えに行く
今のひなたにとって一番の友達だった
もう一人の同僚である24歳の西川麗、ひなたから見ても羨む美人
スタイルも良く、客の殆どが彼女目当てで店に来る
この「サザンクロス」は年齢層がかなり高い
キープのボトルが入っていても1時間半ほど居ると、何も頼まなくて8千円と値段が少し高いからなのだろう
この田園都市線界隈では、大体が5・6千円止まりだ
この近くにもキャバクラもあれば、韓国バーもある
それ等になるとそんな金額では済まない
ボトルはヘネシーのVSOPが2万5千円、パスポートとバレンタインの12年が1万8千円
一番安いオールドパーですら1万5千円もする
河内屋ややまやで買えばその4分の1以下で買える
酒の事は何も分からず、ママに「高いですね」と言った時、「若い子には来て欲しくないの」と言われたのを思い出す
4割も高いとガラリと客層が変わり、殆どがホワイトカラーになる
近くの銀行員も、証券マンもかなり居た
そうした中に安部光雄と言う営業マンがひなたにしつこく言い寄っているが、今の所は上手くあしらってはいる
こういった店は女の子次第
商品は女・・・客は酒を飲みに来るのでは無く、女の子が目当てだ
3人のホステス以外に、5人のアルバイトがこの店には居た
全員が綺麗で歌も上手く、ひなたは初日から引けてしまった
「紫野さん。今日から来てくれるひなたちゃん、宜しくね」
そうママが紹介した、初日の最初に付いた客が紫野だった
3人の若い社員を連れて来ていて、慣れてなく緊張で硬くなるひなたを、逆に接待してくれている様だった
後からママに聞いたところでは、「紫野さんなら安心だから」と言われた
紫野に「唄おう」と手を掴まれステージに引っ張って行かれた
「カラオケで唄ったことがないの」
そう言うひなたに、お構い無しに唄い出す
「下手でもいいの。声を出せばいい」
そんなこと言われても声が出ず、俯いて最後までただ横に立っていた
次の日も紫野が来た
客が居なくなったのを見計らいデュエットを唄わされたが、ひなたの耳元で小さく唄ってくれる
何とか「愛が生まれた日」を唄えた
それがひなたの初めて唄った歌だった
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