甘いヤツ-36／死んでへんよ

止めて、お願い、もう壊れる、死んでしまう
やっと中に出す
絶叫が何分も続いていたのが、静かになった
失神してしまった様だ
抜くとトロリと出て来た
何時もより多く
何時もより濃い

また一人でを飲んでいる京介
バスロープを羽織ると、ジッポーでラッキーストライクに火を点ける
吸い終ってもまだ寝ている里美
当分は起きそうも無い
２本目のサッポロを飲み始めた


やっと目覚めたみたいだ
「ご免なさい。　私、寝てました？」
「ああ」
「何分くらい？」
「１時間」
「えっ、そんなに？」
「そんなに」
「私、失神したの始めて」
「そう」
「殺されると思いました」
「死んでへんよ」
「はい」



「あのー、横浜か東京に転勤させて貰えませんか？」
「あかんな。　梅田が落ちてしまうさかい」
「結婚すると言うて、転勤願い出します」
「嘘はあかん。　ルール違反や」
「嘘でも、ルール違反でもします。　もう決めました」
「参ったなー。　そんな事したら絶対にええ男出来へん」
「もう、出来ました」
「私は妻子持ちやで」
「何も結婚してなんて言いません」
「そやかて」
「もう決めました」
「参ったなー」
「何にも毎日おうてなんて言いません」
「月に２・３回だけ」

月に２・３回が週に１度になり、２度になる
参ったなー
桁違いに強いさくら、それに里美が増えたら他で出来なくなってしまう
章代も居るし、他にも居る
参ったなー

「何を考えてはるんです？」
「いや、何も」
「どうしたら、来れなくさせられるか考えてはるんでしょう？」
「そう」
「私は周りから頑固もんと言われてるんです。　一度決めたら変えません」


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