甘いヤツ-27／勝負服

駅で別れる時は寂しそうだった
ほんの少しの楽しみだけれど、君にあげよう
ご飯を食べて、歌を歌って
セックスをして
朝まで一緒
たったこれだけの事
でも、彼女にとっては大きな事
そう、凄い事



「いらっしゃいませ。　今日は何を？」
「勝負服」
「ほう、また珍しい言い方ですね」
「芳乃に紹介されたの」
「渡辺様に。　有り難うございます」


「セクシー過ぎる」
「でも、品がありますよ」
「ええ、そうね」
「おしりの割れ目が見えない？」
「はい、見えます」
「うそー」
「嘘です」
「もうー」

黒いそのドレス、ミニで背中は殆ど無い
然も全体がシースルー
ノーブラで着る
胸の先の一部と腰の所だけが二重で隠れる

「スタイルの良い方にしか、お勧め出来ません」
「聞いていたけれど、口がお上手ね」
「嘘は言っていませんよ」
「さっき言ったでしょう？」
「・・・・・確かに」
「良くお似合いです」
「これを着ればいちころかなー？」
「勿論、相手が誰でも」
「紫野さんでも？」
「はい」
「これにする」
「有難うございます」


入り口で深ぶかとお礼
今日は１５０番と１５１番が来ている
やっと４分の１
さすがに５０番を過ぎると教える事が多い
しかし、京介は教えない
見せるだけ
聞かれた事には答える
セールスは教えられて出来る仕事では無い
最初は真似る
自分で考えて、工夫して、自分のものにする


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