甘いヤツ-25／頂きます

そっとベッドを抜け出した
やっとシャワーを使えた
匂いフェチの私は平気
彼女も気にする風でも無かった

出てからすぐに
生ハムとゆで卵、野菜大盛り
ロールとクロワッサン
牛乳にマンゴージュース
それに濃いコーヒー

ルームサービスのノックでさくらは目覚めた様子
テーブルにセットをして貰うと同時に
お早うございます、と言ってバスルームに
食べ終わった頃に、やっと出て来た
長いシャワーだ
ドライヤーを使っていたからなー


「寝坊して、ご免なさい」
「いいよそんな事、気にしないから」
「先に食べてしまった。　冷めてしまったなー」
「平気です。　頂きます」
両手を合わせる
うん、珍しい
「子供の頃から、ずっとなんです」
これも育ちか

「いい習慣、作法だよ」
「私なんて声で言うだけだ」
「最近は、それも有りません」
「そうだな。　頂きますを言わない」
「ええ、有難いのに誰もお礼をしません」
「うん」


またペロリと平らげた
気持がいい
「何をお考えか分かります」
「そうか。　君と居ると楽だな」
「私も、楽です」
「地を出せる？」
「ええ、そう」
「寝顔を見ていてそう思った」
「酷い顔でした」
「そうだね。　でも可愛かったよ」
「ありがとう」


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