- 名前
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- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女っ】38-4、耐えられないよ
2011年10月19日 02:24
そんな、各々の気持ちや願いが高まる中、いよいよ香住学園祭の開催日当日を迎えた。
「悔いの残らぬよう、頑張って、造り上げ、楽しんでくださいね」
ぶるぶる震えながら、中等部校長先生の挨拶は手短に済んだ。
「いよいよ、学園祭当日ですっ!」
「ぴよぴよっ」
「誰に向かっていってんねん」
麻衣子は茜の仕種(ついでそれに合わせたアドルフさん)に突っ込み、はっとした。
「いよいよ学園祭での公演当日がやってきましたっ」
2年前、麻衣子も同じ事をしていたのだ。空気の分子ひとつひとつが観客で、この日の訪れを祝福しているような、そんな感覚だった。
ああ、わたしは演劇が、舞台が好きなんだって感じたのだろう。
「……ん。誰に言ってる」
その時突っ込んだのは有希だった。
「そうね。悔いの残らぬようにしましょう」
「同感ですわっ」
「きっと、うまく行くんだよ。大丈夫」
「香住演劇部~!ふぁいとっ!です~」
4人は手をかさねて円陣を組んだ。
「というわけでみんな分担よ。わたし達は舞台装置を最終調整」
「あたしは衣装のスタンバイ」
「わたくしは、……練習でもしてます」
「わたしは宣伝ですっ」
「ぴよぴよっ」
演劇部は各々の役目を持って散開した。
程なくして生徒達も各々の位置に散り散りになる。
高等部のクラス出し物が中核を成す模擬店が、校舎の内外を独特の匂いで包む。
一般のお客様も賑わいを造り上げる。他校の生徒や学生の姿もちらほら見掛ける。律儀に制服着て見物に来てる様子だ。
「演劇部です。宜しくお願い致しますですっ」
「ぴよぴよ~」
茜とアドルフは賑わいをサーチしながら、宣伝のチラシをお客様に配って宣伝する。
「可愛い~」
「ぴよぴよ~」
人気を集めたのはアドルフさんだった。小さなドラゴンだから、母性を擽るのだろう。
「モテモテです~」
「お嬢さんもかっこいいですぞ」
お歳を召したお客様達からは、茜が評価を受けた。茜は若草物語の主人公・次女ジョセフィン役だ。衣装を纏えばその凛とした魅力がつくようだ。
人混みを辿れば、やはりステージ発表の舞台に来る。
「やってまいりました!本日のメインイベント!ミス香住学園コンテストっ」
放送部の進行のもと、ミスコンが始まった。会場の熱気はなおさら高まる。
なにしろ、本物のマスメディアもこのミスコンを取材に来てたり、お忍びで芸能会社がスカウト人選に来てたりしているのだ。
「ん~。どんどん焼きうまいんだず~」
どんどん焼きをくわえながら、ステージ発表を見ているレイチェル。
茜とすれちがうが面識ないので気にならない。
「ぴよぴよ」
茜は長いベンチに腰掛け、お腹の辺りにアドルフさんが乗る。
いよいよミスコンの始まりだ。
「わぁー」
「ぴよぴよっ」
10人程の参加者がステージに現れた。高等部からがほとんどだが、中等部からの参加者もいる。
「あらあら、茜ちゃんよ~」
「……そうね」
琴と有希が談笑して手を振る。
「わぁーい。有希さーん、琴姉さーん」
観客の茜も手を振る。
「さぁ、今年はこの10名がミスコンテストを争います。パフォーマンスとスピーチ、そして水着審査の三段採点による、審査員と会場の投票により、グランプリが決められます。それではまずは、第一ステージ、パフォーマンスです!」
「エントリーナンバー1、中等部チアダンス部部長、栄倉なのかさんです」
いよいよ始まった。やはりパフォーマンスは各々の得意分野で勝負してくる。
「くっくっく。ミスコンを制するのは月山有希でも東原琴でもない。中等部初の快挙を造るこのわたしだ……」
舞台袖でひとりの美少女が燃えていた。
続く!
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