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【魔法少女っ】37-1、学園祭前夜
2011年10月11日 03:49
学園祭に向けて頑張っているのは演劇部だけではない。
各種文化部はもちろん、スポーツ系部活も何らかの形で出し物をするし、クラスでも出し物をする。
香住学園の場合は中高同時開催なので、他の中学生の学園祭とは趣を異にする。
てか、田舎の中学の文化祭・学園祭は「クラス対抗合唱コンクールやってそれで終わりっ」という槍投げな企画構成でむかつく。それは文化祭とは言わない。単なる「合唱コンクール出品のための予選会」だとここで力説しておく。
というわけで、香住学園には中等部での受験人気が強いわけだが、高等部も勧誘を疎かにはできないってかするつもりはない。
学園祭のステージ発表の花形イベントのお膳立てが着々と進められた。
「あらあら、まあまあ」
東原琴の前に数人の男子生徒が改まって挨拶に現れた。
「おめでとうございます。あなたは選ばれました」
手紙を差し出す男子――学園祭実行委員会。
「あらあら、ミスコンねぇ」
ただのミスコンではない。その勝者はそれからの半年、学園じゅうから尊敬の眼差しを受けるという由緒ある大会なのだ。
半年なのは歴代大抵の勝者が高等部三年生のため、次の3月には卒業しちゃうわけであるからだ。
前年度は当時高等部一年の月山有希が優勝したため、尊敬の期間は一年間となる。
どっかで聞いた名前じゃないか。
「慎んでお受け致します、よぉ~。当日は頑張ります」
琴はにこにこして手紙を受け取った。
ミスコンエントリは我こそはと立候補する枠と、事前調査で候補者を選抜する枠がある。そして琴は後者に選ばれた。
ちなみに選ばれた場合、「強制ではない」という名の強制参加である。
ミスコン大会はパフォーマンスとスピーチ、そして水着審査で行われる。学園祭で最も盛り上がるステージ発表イベントだ。
「……琴。おめでとう。……負けない」
前年度優勝者たる有希は当然ながら強制参加である。ディフェンディングチャンピオンってやつだ。
「これで名実共にライバルね~。よろしく。うふふ」
演劇部。
「はい。良いよ良いよ~」
カシャカシャカシャ
つかさが衣装姿の4人を写真に納める。「学園祭の準備風景」という名の写真部の出し物と、フライヤー作成による演劇部公演の宣伝を兼ねた写真撮影である。
つかさの横には新聞部と放送部がスタンバっている。
新聞部は学園祭準備期間の随時的報道機関を担い、どの部がどの出し物をするかの速報を生徒に提供する重責を持つ。
放送部は取材を録音し校内放送で流す。また、ステージ発表では司会や演出周りを行う。
学園祭は準備期間が楽しいと言える。みんな夜まで起きて準備や設営を頑張る。
「いやぁ、こういう風景って良いですね」
学園祭準備の様子を見廻りながら、久保田先生。
「本当に。でも、学生に戻ってやりなおしたいですよね」
松並先生も微笑んで見廻りする。
「松並先生はまだまだ現役でいけますよ」
「そうですか~。恥ずかしい」
「現に演劇部で役者するんでしょ、生徒と一緒に」
「ええ。とっても楽しみにしてますよ」
夜の帷が降りきったら、下校時刻である。
粘って帰らない生徒を諭すのが久保田達に課せられた使命である。
「こんな事をしてて、良いのだろうか……」
彼は彼なりの焦りを感じていた。
続く!
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