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【魔法少女っ】37-2、久保田隆義の焦燥
2011年10月12日 05:32
久保田隆義。
香住学園の教師。高等部には世界史、中等部には社会科を教授している。
その正体は異世界ワッフルの西の国を再興させるべく立ち上がった「王子」である。
だが、世間一般で意味する王子とは趣が異なる。彼は王族の血を引いてるとかではなく、その名は彼の活動に対する評価と羨望でつけられたものである。
ワッフルで駆け巡った時に比べて、今は活躍が少ないのを彼は感じていた。申し訳なさもないまぜになってるような感じだ。
彼の魔力は茜と小春のそれとリンクしており、ふたりが魔法騎士として行った成果は彼の元へいく。
だが、彼が最近ふたりにしてやれた事はなかった。例えば小春の家の半壊について、何も慰められる事ができなかった。
「先生のその気持ちだけで充分だよ」と微笑えまれるが、それがなお痛い。
彼の本来の目的である「聖杯探し」もなかなか進まない。
学者は数年の研究で数ミリ程度の進しょうを得ると言われているから、彼が焦るのはむしろ不必要なのだが。
「先生、先生っ」
廊下で何かにぶつかったようだが、彼は気付かない。
「ん?」
「先生、こっちだよぉ。気付けよクポー!」
久保田先生は視線を下へ向けた。
「なんだ小春か」
「むぅぅ~!」
背の低さにコンプレックスを持つ小春が拗ねる。
「演劇部遊びに来て来てっ。悪いようにはしないからさ」
「悪いようにしてるじゃないかクポー!」
演劇部室の片付けを手伝わされる久保田先生。
「見てないで君も手伝ったらどうだ」
悠然とティータイムな琴に向けて愚痴る。
「あらあら。わたしは演劇部じゃないわぁ。それにわたしは高等部よぉ~。中等部の手伝いをするのは却って失礼よぉ」
「アホか。僕だって演劇部の顧問とかじゃないんだぞ。失礼でも良いから手伝えや」
「あらあら。こうしてお菓子を差し入れに来ているのも手伝いに入らないのかしら。ねぇ、小春ちゃん」
「悪いようにはせんと言ったっしょ!手伝い終わったら琴姉さんのスイーツ食べれるから、ふぁいとっだよ」
「それにしても、男性でわたしに臆せず話せるなんて頼もしいわね~。食べちゃおうかしら。うふふ」
冗談ぽく琴は微笑む。
「琴姉さん。取っちゃ駄目だよ。久保田先生は松並先生が手をつけてるんだから」
「あらあら。まあまあ」
妙に納得する琴であった。
真相を言うと、中の人が妖精であるから、人間の美的感覚に惑わされていないだけなのだ。
「それにしても」
久保田先生はひとつの疑問を呈する。
「体育館やステージ発表は利用しないのか?」
続く!
このデジログへのコメント
「……ん。この物語の元祖魔法少女、月山有希だ。……確かにばかばっか集まる」
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