夢を抱いて-39／14歳

ひなたの中学はバスでの毎日だったが、日に３本しかなく大変だった
さすがに中学になると、男子生徒の何人もがひなたより背が高かった
女子ではクラスで一番高かったが、その所為で苛めは受けずに済んだ
初めて仲のいい友達も出来た
それが嬉しく、あんなに小学校は嫌だったのに中学は楽しかった

背が高いと言うだけでバスケットボールとバレーボール部にしきりに勧誘をされた
しかし、ひなたは是非入りたいクラブが有った
気象天体部
小さい時から友達が居ず、一人で夜空を見るのが好きで、星座はみんな知っている
天体望遠鏡がずっと欲しかったが、断わられるのが分かっていて親には頼む事も無かった


中学の入学祝に、佐藤が贈ってくれたのが天体望遠鏡
２７歳になった今でも、翔太の次に数少ない宝物の一つだ
中学生に買える品物ではないのに、親の無関心で聞かれる事も無かった
このクラブに入った所為で、夜の帰りが遅くなっても良く、佐藤とのデートが楽にもなった
車でばかりでは無く、中学に入るとモーテルにもたまに連れて行ってくれた


３年の夏休みに泊り掛けの部活があった
引率の教諭でクラブの部長、高橋を含め総勢１０名
かんぽの宿で温泉旅館だったが、男子も女子も生徒は水着を着けて露天風呂に入ったが、ひなたは高橋の視線をチクチクと感じた

理科を担当している３５歳の高橋は格好がよく授業も楽しく、女子生徒の一番の人気者だ
その高橋が、ひなたの身体を厭らしい目で見ている
佐藤にセックスを仕込まれたひなたにとって、男が何を欲しいか直ぐに分かる様になっていた
「ふーん、私が欲しいんだ。あの欲しそうな目」

他の女子に対する優越感から、させてあげても良いかな、と考えてしまう
それに、佐藤以外の男のセックスも見てみたいと、中学に入ってずっと思っていた
誘って来るんだろうか？
それとも見るだけ？
そんな考えをしていて気が付かなかった
仲間がみんなもう出てしまっている


「根上、出ないのか？みんな行ったぞ」
「はい、温泉は好きなのでゆっくり浸かっていては駄目ですか？」
「いいさ。それにしても根上はいい身体をしてるな」
「いいえ、まだ未発達です」
「だってこのオッパイとお尻」
週に二度も佐藤に抱かれ、２年も経ったこの頃のひなたは、すっかり大人の体つきになっていた

女子生徒を毎日見ている高橋には、経験済みの子は直ぐに分かる
「経験が有るのは分かるさ」
「それより話があるから、夜二人で話せるかな？先生の部屋に一人で来れる？」
「お話だけですか？」


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