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第七節  14歳のとき

2010年03月19日 01:43

第七節  14歳のとき

夢を抱いて37/飽きない奴


紫野は愛妻家なんてとんでもない
妻と二人の子は京都に居り、もう別居して10年以上になる
金の切れ目が縁の切れ目
諺は嘘を吐かない
手続きさえすれば何時でも離婚できる状態だったが、二人の子供が結婚するまで、籍だけはそのままにして置こうと考えただけだった
そんな事は誰も知らない、話もしない

紫野は20年前に会社を辞め、高校からの念願だったアウトドアショップ横浜に作る
最初の2年は全くの大赤字だった
しかし、3年目にスノーボード専門店に変えた
全国にスノーボードだけの専門店は一つも無い
それが当たった
スノーボードショップでは老舗で、テレビにも新聞にも記事が載る程の全国的に有名な店になる
関東は勿論のこと、それこそ大阪から車で、北海道から、広島から買いに来た

9月からのシーズンでは、毎週末は売り上げが100万円の単位だった
たった10坪のスペースで、いつも客で溢れた
一万円札レジスターに納まらない
「4・5年で六本木にビルが建つなー」
六本木には無理だったが、3年後には自前の店が建った
しかし、そう甘くは無い
大手の量販店が次々に参入し、11年目からは売り上げが落ちる
5軒あった支店は何処もとんとんの成績に陥った

そんな状態が続いたある年、取引先の立て続きの倒産福島の支店で取り込み詐欺に遭う
信じて全て任せたツケだった
儲けの殆どを不動産投資したのが間違いだった
土地を買わずに銀行に入れて置けば、負債の3億は問題が無かった
しかし、半値でも売れない土地の下落に苦労した
やっと借金が終わったのが2年前、地獄天国も見た紫野

そんな借金が終わり、最後まで残ってくれた、世話を掛けた3人の社員を連れて飲みに来た時がひなたの初日の日
紫野は一目でひなたの境遇を感じた
ヤクザに追い込みを駆けられ、保険を掛けられ殺されかけた人間だけに解ってしまう
身体の奥底が見えてしまう


「甘い奴」これが紫野の自分観にも拘らず、困っている人間を見ると助けてしまう
「死ぬまで治りはしません」
先輩に言った言葉がこれだった


他所の妻は平気でくどく、抱く
二人揃って仲良く不倫するのはしょっちゅうで、名前を記憶する事すら出来ない程の飽きない奴でもあった
但し、結婚をしていない女には手を出さない
娘と7歳しか変わらないひなたが気を寄せても迫っても、抱く気は全く起きないで居た


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