シェア-6／この人に

「お腹が減ったね。食べに行こう」
確かに減っている
何故お酒を飲んだ後はお腹が減るのかなー？
「はぃ」

ダイニングに入るとバイキング形式だった
サラダを山盛りにしている
ジュースと牛乳、コーヒーにロールパンに果物
スクランブルエッグもベーコン、ソーセージも取らないの？
私は食べるわよ

「よく食べるね。それなのに太っていない。仕事は受付で、余り動かないでしょう？」
「えぇ」
「何かやっている？」
「なーんにも」
「へー、いいね」
「控えている物とかは？」
「食べたい物を食べたいだけ食べる」
「へー、羨ましがられるでしょう？」
「そうみたい」

「紫野さんは何時もお肉は食べないの？」
「いいえ、食べます」
「でも、それ」
と彼のプレートを指差す
「遅くまで飲んだ翌日は、食べない様にしているだけ」
「何故？」
「食べ過ぎるから」
「なる程、そうよね」
「アルコールで胃も頭も鈍感になっている」
「うん、そうそう」


食事が終って、コーヒーを飲んでいる時に言ってしまった
それだけ咲希は自信が有った
事実、自信を持つだけの体だった
迫り出す胸は誰をも引き付ける
ウェストは萎んで、ヒップは丸くてツンと上を向く
そして、ため息が出てしまう長くて綺麗な脚
会った殆どの男が欲しそうな目で見る
嘗め回す様に見る
体中に視線をピリピリと毎日感じていた

寝ていて、幾らでも触る事が出来た
揉む事も舐める事だって
それなのに・・・何故？
「どうして、触れもしなかったの？」
「酔って意識のない女を、抱く趣味は私には無い」
「はぁー、有り難う」
また、言ってしまった

「私って・・・魅力ない？」
「凄くある。素面の時に抱く、すぐにでも」

ダメ、この人に遣られる
いいえ、抱いて欲しい
「部屋に戻って、すぐ抱きたい」
なにを言うのよ
オーケーする訳がないでしょう
この、自信過剰人間!!
一日一緒に飲んだだけじゃない
そんなに見詰めないでよ
なによ、この・・・・・
「はぃ」



「あぁーもうああぁー、いいぃ、イクーあぁぁー」
あぁ、もうダメ、何度なのよ
何度往かせれば、許してくれるの？
「もうダメ、もうこれ以上は、許して」
「降参？」
「ええ、はい、降参。お願いします」
「なら、休ませてあげるよ」
「あぁー、よかった、有り難う」
と言うと同時に意識が遠のいた


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