111／恋してる

「それがショックなの？他の男に抱かれるより」
「何故なのか、分らないんだ」
「何が？」
怒る気が起きない
それより、５年近く抱かなかったのが、可哀想で悪くて
英治は自分の身勝手さに嫌になっていた
一番大切な人なのに

「それで、これからは？」
「月に何度かは、しようと思うんだ」
「いいんじゃない、それで」

急に遣っても平気だろうか？という疑問が英治には有った
しかし、ひかるは嬉しいだけ、でも何故、とは考えるかな？と言う
「最近色っぽくなったとか、適当で大丈夫よ」とも
「余り考えない方がいいわよ」
とも言われ、英治はそうするかと考えた

「どう、私が言っていた通りになったでしょう？」
確かにひかるが言っていた通りになって来た


＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊
「忠志の奴、大したものね・・・・・私には言わないのよ。お姉さんに聞けって言って」
「それはね、忠志さんが優子に惚れているから」
「そう思う？」
「ええ、彼にとっては優子が一番」
「だったら嬉しいけど・・・・・」
「優子には珍しいわね、心配？」
「あいつには」

私の京介への感情と同じなのだろう、そうひかるは考えた
主人には悪いけれど、この気持はどうしようもない
主人は愛している、でも京介には恋してる、そんな感じかなーと思った

「翔一さんを愛していても、忠志さんには、恋をしているのでしょう？」
「恋・・・そうなのかしら？」


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