【魔法少女っ】48-1、ミラクルチェンジメグッペ

男装の麗人的な南館恵を素敵な淑女にする対決は投手戦の様相をしていた。
ミネルバは食べ物やストレッチといった内面から、琴は洋服のコーディネートや知識からのアプローチで改造していった。
だが、いづれも即効ではないため、勝負は見えなかった。
そして9回ウラ。

恵はすっかり素敵なレディに変貌を遂げていた。
ひとつひとつの歩みはわからないでも、明らかにビフォーアフターで異なるのだった。
「しかし、この勝負、どっちの勝ちなんだろう？」
小春は疑問に思った。
「儂の勝ちだぁっ！」
サダムが勝ちを名乗った。それを確証するかのように、サダムの手に「願いのカケラ」が発生していた。
「あらあら、まあまあ！」
あまり納得してない琴。
「……ん。わたしが説明する」
「うぉう！有希。いつの間に」

「ネガイナーには他人の願いを踏みにじる事で成就するタイプと、願いを叶える・達成する事で成就するタイプに大別される。今回のは恐らく後者。勝負内容はともかく、ネガイナーは南館先輩の願いを達成させる結果を得た。つまり、琴たちは勝負に参加する事で荷担してしまったわけ」
「ほへー。そうだったんだ。オッサン、やるね♪憎いねこのぉ」
立場上騙されたわけだが、琴や小春に後悔はなかった。
「ミネルバネガイナーよご苦労様だ」
「あいよ～」
ミネルバ婆さんはカードに戻る。
「せっかくだし、相方さんに見せておいでよ！」
「あ、うん。ありがとう高瀬ちゃん」

「あきら～♪」
「メグッペ！ん！その姿は！」
美しい変貌を遂げた恵を見て、あきらは驚愕する。
「しかし、こうして見ると、お嬢様学校のカップルみたいだわね～」
隠れて見ている琴と小春。
「どーよ♪」
可憐な身のこなしでポーズを取る恵。
「があああん！」
あまり嬉しくなさそうな驚き方だった。
「あきら？」
「メグッペ、そんな事したら、ぼ、ぼぼぼ、僕のアイデンティティがあああん！うわーん！！」
あきらは泣いて逃げてしまった！！　

「え？なんでなんで？」

続く！