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【魔法少女っ】51-3、クリスマスなき日常
2011年12月22日 06:43
電話で今日の敗戦を麻衣子に伝える茜達三人。
「ふぅん。生きてて良かったよ。今回の敵はただ強いだけね。ま。何かあったら妖精達が黙ってないでしょうから、今は様子見ね」
と麻衣子。
「しかし「クリスマスをなくす」、って敵は何を考えてるんですっ?」
「冷静に考えてみれば、クリスマスなくなったって、実害はないわね」
クールでドライな麻衣子。
「日本にはお正月がありますわ。年末に騒ぐ理由はこれで充分ですわね」
お正月は暦の都合だから、消そうと思って消せるものでもない。対してクリスマスは消そうとして消しても12月25日はあり続ける。なんの実害もない。
だが、小春は挙手した。
「何言ってるの?クリスマスは必要だよっ!」
小春はビール箱に乗って立ち上がり、茜と千歳を見下ろした。
「確かに日常は大切だよ。しかし、そこに日常だけがあればいいってものじゃないよ」
朝起きて、働いて、疲れて、お家に帰って、寝る。
月曜日はうんじゃらげ。
火曜日ははんにゃらげ。
金曜日で解放感。
しかし日曜日の夕方に笑点を見終えたら、物凄く憂鬱な気持ちになる。
それはなぜか?日常が同じことの繰り返しだから、それが辛くて苦しいからだ。明日を夢見ながら、月曜日が来るのを嫌がる矛盾。
「そんな日々に彩りを添えるのが、クリスマスをはじめとするイベントだよっ。記念日のようにお休みにはならないからって、要らないなんて言わせないよっ!」
小春は泣きじゃくった。
子供だ。
しかし大人だ。
小春の言う事は、なぜか千歳にぐさりと来た。
「クリスマス等をひっくるめて、日常は成り立つの。魔法少女はそれを守るんだよっ。たとえあたしひとりだって……!」
演劇部も魔法少女もホームパーティーも、全部成功させてみせる。
小春の決意は固まった。
しかし小春の意志と敵対する者は、近くにいた。
グチャリ。
「あらあら♪」
少しミスって、ホームパーティーの飾りを壊してしまう琴。
じっと潰れた飾りを見る琴。
我々は大きな災害で日常を奪われた者だ。しかし、災害を免れた者達は我々を鎮魂することもないがしろに、クリスマスを楽しもうとする。不謹慎だ。いや、そんなレベルじゃない。我々が不幸なのにお前らがへらへらしてるのが赦せない。何がクリスマスだ!
何があけましておめでとうだ!
我々はあなた達を赦せない。我々と同じ苦しみをあなた達に分け与えたい。
クリスマスなんてくそ食らえ。クリスマスなんてなくなればいいんだ。
「琴姉…?」
かずねが心配そうに琴を見た。
「あらあら、まあまあ。考えごとをしちゃってたわ……ごめんなさいねぇ、かずねちゃん」
「いや、気にしてないよ。でも、小春ちゃんの手伝い、そんなに疲れるんなら、休むといいよ?」
「いや、別に疲れてるわけじゃないのよ」
琴は自己矛盾に苦しんでいた。
そして、魔物達は容赦なくその心の闇につけこむのだっ。
琴のような苦しみを持つ人々の願いのチカラがデパートの屋上に集まる!
続く!!
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