- 名前
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- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女っ】50-5、ブルークリスマス
2011年12月19日 17:12
クリスマス会で老人たちを楽しませるのに成功したに関わらず、なんだか満足いかなかった小春は麻衣子を訪ねて、その旨を話す。
「わぁー」
話を聞くと、麻衣子はものすごい上機嫌な笑顔を見せた。
「小春っ小春っ♪」
無邪気に小春の手を取り、きゃっきゃな麻衣子。却って異様な感じもする。
「そういうのは千歳だけでお腹いっぱいだよ~、先輩」
「だってだって~。お仲間いてて嬉しいんよ~」
ちんぷんかんぷんだ。
小一時間後。
「つまり、小春はようやく演劇に目覚めたのよ」
「ほへ?」
小春は自分はとっくに演劇の楽しさに気付いていたと思っていた。多分、麻衣子の言う意味はそれよりもまたひとつ深い領域なのだろう。
「観客が満足なのに、演技者やスタッフが満足しない。そう感じるならば、高い完成度を無意識的に求めてるようになっちゃったのよ。妥協を許せなくなるような。……」
演劇の話をしている時の麻衣子は生き生きしている。
「ねぇ、小春。わたしがなぜエスカレーター蹴って受験生してるかわかる?」
「確か、演劇をもっと深く頑張れるような高校に行きたいんだよね」
「そうよ。そしてこれがその高校のパンフレット」
麻衣子は小春にパンフレットを渡して見せた。
「お嬢様学校だね~。あたしには大きすぎるなぁ」
「いいえ。ひょっとしたら、小春もぴったりな器になれるような気がするのよ」
「あたしゃファッションデザインで天下を取りたいよ~」
「それもそうだけど、夢は無限大よ。進路の選択肢は多いに越した事はないわ」
翌日は幼稚園での公演だった。
小春は麻衣子に言われた事を意識し、のびのびと劇を展開した。
「暗い夜道はわたしがピカピカに照らすですっ」
勇ましげな茜トナカイの口上!
「無事故で安全にプレゼントを運びますわっ」
「うほほ~い!子供達よメリークリスマス!」
「わぁーい!青いサンタさんありがとう~」
小春からプレゼント(うまい棒の詰め合わせ)をもらって嬉しそうな幼稚園児童達。
なんだか嬉しいなと思う小春。この調子でイブのホームパーティーも成功させたいなと思うのだった。
だが、その帰り道、暗雲がたれ込めた。
そして、巨大な音声が街じゅうに染み渡った。
「この世界の愚民どもに告ぐ!我はネオバビロニア帝国軍元帥のスターリンである。今年から、クリスマスは廃止となります」
次回へ続く!
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