- 名前
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- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女っ】51-4、クリスマスは誰にもやってくる。
2011年12月23日 03:48
12月24日。
クリスマスイブがやってきた。
デパートの屋上で一部の者が大声をあげて叫んでも、大半のカップルや家族連れには馬耳東風。クリスマスを辞めるつもりは毛頭ない。
「お待たせしました、松並先生」
「いえいえ、今来たところですよ~久保田先生」
このふたりもその仲間だろうか。少なくとも久保田隆義にクリスマスの意識はない。「一宗教者の誕生日を記念する日に大切なひとと一緒に過ごすのはとても素敵な事だ」と知識で知っててもパッとしない。それにたまたま松並先生の買い出しのタイミングが今日だっただけだ。
彼を乙女心に無頓着な妖精と思うなかれ。世界観の違う異邦人とのコミュニケーションとはそんなもんである。
「では参りましょう」
「はい」
久保田に腕を組む松並先生。さすがに久保田でも照れる。
「ヒューヒュー。あついあつい」
ふたりを取り囲んで冷やかす者達がいた。
「!!」
久保田は身構えた。
「今年からクリスマス廃止だって聞いてないのか?お二人様よぉ~」
男達はチンピラ口調だが、実は冴えない普通な人達だった。アレだ。後ろ楯が強いと粋がる、みたいなだ。
「僕たちはただ年末の買い出しに来ただけだっ」
「おうおうおう!そうですかそうですか!女の方はそうでもなさそうすよ?」
ボキボキボキボキ
拳を鳴らす男達。
「とにかく、クリスマス廃止に従わないバカップルには罰を与えないとな。はははは!」
「久保田先生!私に任せてください」
松並先生が久保田を庇うように前に出た。
「おうおうおう。姉ちゃんやるってか?女に庇われるとは情けない男よな?おお?」
「すいっちおーばー!めっさつばくえんは~!」
松並はトータクになって必殺技を放った。つもりだった。
既に彼女にその能力はありません。
「おうおうおう!かめはめはのつもりか?俺たちのいきり立ったかめをはめてくれるわ」
「きゃああ!」
男達は松並先生に一気に襲いかかってきた!
ビリビリビリビリ
せっかくのおめかししてきた服が無残に引き裂かれる。
「やめろクポー!」
久保田は妖精、つまりクポーの姿に戻って、大きな剣を振り回し、男達を凪ぎはらった。
「うぎゃあああ~」
「今のうちに逃げるクポー!」
「あ、はひっ」
そんな。久保田先生が魔法少女の妖精さんだったなんて。わたしとは敵同士だったなんて。
レイプされかけたより大きな衝撃だった。
屋上では、ラスカルの集めた願いのチカラが形を成して行った。
「なんと?」
スターリンは驚いた。その願いのチカラは敵の姿に似ていたからだ。
「さあスターリン。ネガイナーを」
「ああ。クリスマスを憎むあしき願いよ。今こそその大願を果たすがよい。出でよ、ネガイナー!」
屋上にあったクリスマスツリーにその願いのチカラと黒いカードを叩きこみ、強大な怪物を生み出し……?
ずぎゃあああん!
「鳴り響くは聖夜のレクイエム。ダークキャロル」
それは、喪服のような黒いドレスに身を包んだ、東原琴と瓜二つの少女の姿だった。
「おおっ!女神様だ!女神様だ!」
クリスマス廃止の賛同者達が、ダークキャロルの姿を神と崇めた。
「ふん」
琴とは対称的につっけんどんなダークキャロル。
「なんだか楽しくなってきた。皇帝陛下の我が儘に付き合ったつもりが、世界征服にかなり近付いたぞ!」
「良かったなスターリン」
喜びを分かち合うラスカル。
「とりあえず旧来の神をボコるか。ダーククリムゾンっ」
ダークキャロルは琴と(茜と)同じ必殺技を教会に向けて放った。
どごーん。
「なんだず!礼拝の邪魔すんなず、このズグダレが」
クリスマス礼拝中のシスター、レイチェルが汚い言葉で喚いた。
「もう一丁」
どごーん
「のわああ!こんなアガスケすんのおっとうが?やめでけろず!」
壁に空いた穴から、レイチェルは敵の姿を見た。
「琴?晩飯抜きだず!!」
「え?琴さんはうちに居るよ?」
琴は小春のホームパーティーの手伝いをしている。
でもなんかふらついてる。
「少し休ませてもらうわ~」
椅子に落ち着いて、ぬるま湯で頭痛薬を飲む。
「母さんは琴さんをみてて。あたし行ってくる」
「敵は強いですが、黙って見てらんないですわ。サラもついて来るのですわ」
「承知しますた」
「なにそれですわ」
「流行ってますので。承知しますた。お嬢様の目は節穴ですか。テヘペロっ♪」
「茜さんにもブッチホンかけてリベンジですわ」
「ぴよぴよ」
空を見上げるアドルフ。雪は降りそうもない。
「……ん。激戦の予感。みんながんばれ。いや、ガンガン行こうぜ」
続く!
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