ロードオブザリング－２

フロドの旅は始まる。従者サム。勇者アラルゴン。魔法使いガンダルフ。総勢９人の仲間達。冥王サウロンが作り、今また希求する指輪。その今、所有者であるフロド。彼の神の巫子としての魂は指輪の邪悪な力を封じている。しかしサウロンの手に指輪を永遠に戻さない為にも、指輪は捨てさられ、消えうせなければならない。そのための旅。立ちはだかるサウロンの意志。邪悪な黒曇が旅を覆い続ける。余りにも小さく力弱いモビットのフロド。仲間は支え続け、傷付き、死に、離脱していく。最後はひとりにもなるフロド、はかない運命。その細り切った運命をあくまでも切り開こうとするフロド。神の意志…
聖戦。大義。そう言う美名に対する無条件な献身。エクスタシー。性的な絶頂感に似て。まあ、これ人間の性とも言うべきかも知れない。巨大な社会を形成する人間。せめぎ合い。傷付け合い、殺し合いながら。敵、仲間、絆、裏切り。憎悪、愛情。敵意、友情。打ち勝ち、征服し。打ち負け、揉躙される。糾合し、糾合され。永遠の平穏。なんて、ある訳ない…
人類は原始より繰り返し物語を語り、語り合ってきた。神話、或いはファンタジーと言う。自らを語る叙事詩。軋轢を抱え、苦難の末神意に至る。エジプト、メソポタミア、古代インド、古代中国。或いはマヤ文明、やがて古代日本。世界中、あらゆる地域、どんな小さな部族社会でも。言語と言う人類の勝ち得た新たな宇宙に自らの銀河を描き続けてきた。そして、それは原始の宗教となる。予言者。仏。キリスト。イスラム。古代。中世。近代。現代へと。語り、語り継がれて来た。
例えば、スターウォーズ。猿の惑星とか。未来へと向けたファンタジー。現代の。もう一方、人類の紡いできた知の系譜。科学がファンタジーを包み込むが。打ち破り、科学を纏いながらも。奔流となる。空想の宇宙。ファンタジー。人類…
フロドは苦難の果て、指輪を葬る。母なる地球のマグマに焼く。全てを溶かし尽し、純化させる。サウロン、その邪悪な闇は駆逐され。光。フロドは神に至る。大団円。それは、旅立ち。別れ。アラゴルンは王となり、王国に帰還する。永遠の平和。平和の永遠。ファンタジー。夢。有り得ない…