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うなぎー2

2009年04月19日 18:00

担当保護司住職のの常田富士男がいい味。善意のみで成り立つ仕事。純粋な善意。時として、とてつもなくうっとうしい。しかし、間違いなく敬意を払うに値する。しかも、和尚は押し付けがましくなくあくまで自然体。取り囲む周囲の人々も彼を善意で受け入れようとする。しかし、彼は…仮出所と言う重い現実が彼の心を殺したままに…
理髪店でうなぎを飼う。物言わぬうなぎのみが男の話相手。致命的な破綻の記憶は彼を閉ざしたまま…
ある日、男は睡眠薬自殺を図った女を助ける。妻殺し、そして自らを殺していた男が、女を蘇生させる。女は不幸を抱えているらしい。男の新たな生は、ようやくつづられ始める。縁は、女を男の店で働かせることになる。狂言回し保護司の妻、倍賞美津子保護司と共に物語の癒しの存在。彼女が女を連れて来る。その存在で、店は活気づく。今度は男の心が蘇生される。それは、かつての妻との何気無い日常にも似た。かけがえのない。実は、男の思い込みに過ぎなかったのか、ただ空洞、暗黒…
そして、新たな落とし穴。服役中の知り合いが、男の再起を妬む。つきまとう、男の過去、男自身の影法師のように。女は男を愛し始めるが、影法師に脅える男は女を頑なに拒絶し続けたまま。
やがて、新たな破局の翳。女には、前に男がいた。そしてお荷物でしかない彼女母親の存在。女の自殺の深層が、白日に。女は、前の男、過去との清算を図るが。闇金を経営するゴロツキのその男は、彼女を探し出し追って来る。そして、主人公。彼は、彼女の為に。男の暴力に立ち向かう。それは、仮出所の消滅と新たな罪と罰の付加と言う苦難を意味する。しかし、決してかつての妻殺し、自殺行為であったそれとは違う。新たな罪を進んで引き受けることで、彼女との未来にも向き合う。本当の意味での自らの再生。それは、彼女の再生も引き受けることである。そして日常の倦怠に放置し、不倫、そして死の淵へと突き落とした元妻への贖罪。自らの禊ぎ。逮捕前に向かい合う男と女罪と罰贖罪と再生。それを繰り返し乗り越えることが、多分生きると言うこと。普遍的な人生の哲理。今村監督に感謝…

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