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ルパン3世カリオストロ城の秘密-2

2009年04月13日 12:00

エンディングの哀感。それは、人類文明、その進歩の幻想、愚かな。やがて訪れるであろう破綻、破滅、終末。愚かさゆえの必然的な末路。そのことに対する哀感か…寂寥として救われない…
もちろんこの漫画原作者がいる訳だし。映画は宮崎駿だけの手柄ではない。ただ、城の崩壊、特に時計塔が崩れ沈みゆくシーンなど素晴らしいスケール感で、観客を包み込んでくれる。宮崎アニメの全ての胞芽がそこにはある。
当時のクローンと言う近未来的な夢の技術に対するアンチテーゼ。それは、今や現代的なテーマになりつつある。クローンと言う技術が表裏として持つ、既成の道徳感を根こそぎ破壊しかねない闇の力。例えば、ビン・ラディンが。或いは、金正日が。クローン技術を手に入れて…生殖行為どころか、受精、受精卵と言う神聖な通過点さえ通過して。生命を愚劣で傲慢な人類によって再生産したとしたら。神をも恐れぬ。神意を逸脱した、正に原罪。まあ、無神論者の言うことじゃないが。と言って、自分は商売としての宗教、神を信じてないだけ。宇宙の、その以前の、何者か。そのことは、そのことに対する怖れは。確かに感じている。
ビックバンにより誕生した宇宙。この我等が宇宙。無数の銀河団包含される更に無数の銀河。のひとつに過ぎない我等が銀河。包含される更に、更に無数の太陽系。のひとつに過ぎない我等が太陽系。に包含される小さくてかげがえがなく。限りなく美しい水の星。そして、或る意味宇宙の塵のよう。我等が地球。最新の物理の研究では、宇宙も無数にあるらしい。それはどう言う風に存在してるのか。例えば誰しも目の前にする空間。そこに他の宇宙への入り口がいくつも存在するらしい。ブラックホールの果て。時間さえ呑み込むと言われる超重力空間。5次元世界。それがあると言う…
宮崎駿の世界。地球とか。自然とか。挑戦し、相克する人類。だらしなく繁殖、不気味に増殖。肉食獸を獰猛などと侮辱しつつ、食物連鎖の頂点に君臨。唯一同じ種類の仲間を大量虐殺する残酷かつ狂気の動物。自らを進歩したなどど自惚れつつその病は悪化の一途…宮崎文明批判。生命賛歌。明るく楽しく温かく。表裏。暗く重く冷たく。肯定の底に横たわる虚無。原点、カリオストロ城の秘密

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