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ロードオブザリング
2009年04月26日 17:30
指輪物語。欧州に残る代表的なファンタジー。その映画化不能と思われた壮大な物語。だが、CGの発達がそれを可能にする。確かにそのリアリティーに対してある種の違和感はある。だが、本当の意味での実写でもなく、アニメでもない。究極の特撮としてのCG。まさにファンタジー。圧倒的な量感を持つ原作の物語の厚みをその映像世界にもたらした。観客は、空想の宇宙に誘われ抱かれる…
正と邪、善と悪、或いは光と闇、表と裏。原始、物語にはこの相反し、しかも一体の真理がせめぎ合う。体現するのは、モビットと言う脆弱過ぎる存在。強に対して弱。弱故に、困難を乗り越える力が無限大へと成長する。フロド、イライジャ・ウッド。その碧く透き通った眼。繊細で吸い込まれるような純粋さは、神の巫子としての資格。予め用意された巡礼、受難、殉教。引き受けた罪と罰、十字架。やがて、神となるさだめ。彼岸へと…
指輪物語の仕組みは、人類の最も古典的な物語としての英雄潭の典型をなす。直接的には、現代のRPGゲームに明らかに影響を与えているのだろう。冒険者フロドと彼を守る勇者達。次々と現れる苦難を乗り越え、敵を倒し。悪は駆逐され、善は施される。仲間達の絆がすべてを乗り越える。ドラクエもF・Fも。IT時代の…
欧州、キリスト教世界で書かれた指輪物語には、キリスト教の下敷きはあると思う。それを欧州の賜であるキリスト教のアメリカ、その文化的賜であるハリウッドが映画化した。それ故、そのヒットは、9.11、アフガンからイラク戦争へのこの時代、背景は否定出来ない。キリスト教の正、イスラム教の邪。ブッシュの善(これ、失墜済み)、アルカイダの悪。それは、十字軍の傲慢で血塗られた正義の系譜にある。そう邪推を重ねれば、この映画も違った見え方をする。アカデミー賞を総なめにしたこのCGファンタジー超大作3部作も、ユダヤシオニズムと合体したアメリカキリスト教帝国主義の挑む対イスラム征服最終戦争の文化的先兵となったのかも知れない。まあ、あくまでも結果論。この映画の企画が、9.11に発起されたはずもない。ただ、無心に楽しむべきなのだろう…
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