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うなぎ

2009年04月18日 10:10

今村昌平の2度目のカンヌ受賞作。受賞後の公開で、地元のシネコンに見に行ったが観客はさっぱり、閑散としていた。今ほどは、邦画が復権していない時代。まあ、あんなもんだったんだろう。しかし、映画そのものは間違いなく秀作。もっとたくさんの人達に見せたかった…
まあ、地味と言えば地味な映画。一般的に言うエンターテイメント性には乏しいと言うことか。重くて深い題材、時代性、社会性、ケレン味なく正面から取り組んでいことのるために。ただ、和めるようなくすぐりなどなくても、ヒューマニズムの肯定的な温もりが観客を深く包み込む。
主人公は釣り好きの既婚のサラリーマン夫婦には子供がいない。貴重な休みを、自らの趣味に没頭する夫。妻を省みることもなく。倦怠と孤独に悩む妻は…ありがちな悪魔の囁き。夫への匿名の密告状。女?嫉妬深い主婦仲間とか、浮気相手のもうひとりの相手とか。通勤電車で煩悶する夫。放置していた筈の妻に対する猜疑の炎は、激しい嫉妬を焼く。いつものように帰宅後、深夜の釣りに出掛ける夫。しかし、その夜は企みを秘める。早々の帰途。それは、疑惑に向かうため。
妻と男。自分の家で!我を失う夫。乗り込み、襲いかかる。逃げる男。ふと、我にかえれば。息絶えた妻。何を守ろうとしたのか?或いは、何を抹殺しようとしたのか?妻を省みなかった自分自身?取り返しはつかない…
この物語のこの前段部分。決して長い訳じゃない。しかし、印象的かつ心に重く響く。ひょっとしたら、自分にも起こるかもしれない。当たり前で退屈で何もない。何気無い日常。そこに、知らず口を開ける落とし穴。暗黒、闇… 自分の人生を振り返っても、結構山あり谷あり。いや、谷あり、谷あり(笑)いつも飛躍出来ないありきたりな日常に、自分に苛立ち続けていたのに。飛躍は出来なかったかもしれないが。立ち戻れない落とし穴。取り返せない破綻。いつも、突然。不連続に、しかし幾度となく。その非日常から、安穏な日常得る為の長い道のり。退屈とは無縁な、苦しみのみ…
やがて、仮出所する男。ロケ地千葉佐原小江戸、水郷。田園地帯。男は、町外れに理髪店を営む。見守る保護司。そして、女との出会い

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