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悪魔の手毬歌

2009年04月15日 12:20

横溝正史のおどろおどろしい世界。そのもっとも、らしい映画。犬神家は映画館では見てないので、初めて映画館で見た市川金田一物。自分の中では、その最高傑作。
冒頭、峠ですれ違う不気味な老婆。その風情が物語の暗い行く手を暗示。薄幸の翳を宿す銭湯の女将。家族思いの息子。顔を隠し隱棲する娘。怪しげな庄屋と呼ばれる老人。横溝作品に象徴的な地元の有力な2軒の旧家の確執、長年の因縁。その2軒にも銭湯の娘と同い年の娘が。しかも二人は銭湯息子を愛している。それは悲劇を予兆する伏線。そして、地元出身でスターになった娘の帰郷彼女もまた娘達の同級生。同行する母親は、石持て追われたいわくを抱えているらしい。戦後間もない日本。まだ因習に満ち満ちていた地方。そこに激しく変貌する都市の息吹が差し込み、混乱と破綻を呼び込む…
息子は娘のひとりと交際し、母親の女将は強く反対しているらしい。悲劇は、既に滑り出している。やがて起こる第一の殺人。庄屋の毒殺。それは序章。動き出す金田一。県警からは警部の磯川。二人はやがて事件に立ち向かう相棒となる。
そして、連続殺人へ。銭湯息子を慕う旧家の娘のひとり。対立する旧家の争いに油を差す。さらなる悲劇の展開を予兆。しかも事件は、地元に残る残酷な子守り歌の歌詞に沿って実行された。奇怪な死に様。そこに込められたメッセ。それは、横溝作品の怪奇お約束市川はそれを美しい映像に昇華
子守り歌の符合は、村の古老である老婆によって明かされる。磯川から語られ始めるかつてこの村で起こった未解決の殺人事件の経緯。それは磯川も捜査に関わり、被害者の妻である銭湯の女将への彼の思慕も仄見える。
やがて娘達は、子守り歌に従い次々と殺される。それはに過去の銭湯の主人の殺害の謎に起因する深層が…
とにかく若山!この映画で大ファンになった。その後のNHKドラマ事件の弁護士役も。ああいう役者になりたい。エンディング田舎の寂れたホームで金田一を見送る磯川。正に日本のジャンギャバンと言っていい風情…
お詫びと訂正→八ッ墓村の原事件の殺害人数は32人でした。これは落武者の8人の倍数。横溝作品によくある因縁がらみの遊び。

このデジログへのコメント

  • たけ 2009年04月15日 18:26

    > はなまるさん
    原作は結構おどろおどろしいんだけど。ポーとかの影響もあり、虚無と頽癈の作家、作品。ただ、市川監督が細かく小ネタを仕込んで。金田一はほんわかした人格にして。それが映画に暖かみを…

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