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八ッ墓村ー津山事件

2009年04月14日 08:20

昔、角川書店の仕掛けた横溝ブームと言うのがあった。まんまと引っ掛かって。随分と読んだ。きっかけは八ッ墓村。と言うのは、戦前津山事件と言う隠された事件を下敷にしていたので。この事件の詳細は、現代のエスプリと言う雑誌の特集で知った。現代のエスプリは当時まだ創刊間もなかったと思うが、お気に入りでよく読んだ。今もあるのかな?津山事件は、近代日本の犯罪史に重すぎる足跡を残す単独犯による空前絶後の大量殺人事件岡山県津山の山間の部落で起きた。昭和初期、大恐慌後、戦前の暗く不安な時代を背景に。この事件を題材にした映画が、自殺した古尾谷雅人主演で作られている。事件のおおよそを知っている人もいるかな。病を抱え徴兵検査に落ち、不遇をかこつ青年。その時代、兵隊になれないと言うことは人間失格烙印を捺されたようなもの。現代からは想像も出来ないけど、間違いなく重い不幸。青年は、猟銃と日本刀で武装する。2本の懐中電灯を鬼の角のように鉢巻きで頭にくくりつける。青年の追い詰められた狂気、怒り。体現した異様この上ないいでたち。無差別殺戮。深夜から未明にかけての惨劇。31人殺し近代日本で、単独の犯
行としては未曾有(あっ、これみぞうと読むんだよ。麻生君!)の大量殺人事件。当時、捜査資料は非公開。ほとんど報道などもされなかったはず、全ては闇から闇。真の犯意など謎の多い事件ではある。日本の暗黒時代の暗黒事件。それを横溝が28人殺しとして、戦国の落人伝説を絡めおどろおどろしい怪奇ミステリーに仕立てた。戦中、岡山総社疎開した横溝は近隣で起きたその事件を知る。それを、その地方の独特風物と因習で彩って、書き上げる。
映画は、東宝ではなく松竹が制作。金田一は渥美清がやった。市川昆の金田一の方が好きだけど。当時としては、大金を掛けた超大作。それなりに楽しめた。鍾乳洞の中の不気味さなど雰囲気は出ていた。渥美金田一は、余計なつくりがなく自然に受け入れられた。夏八木の尼子の落武者も良かった。横溝の暗い世界に、軽いくすぐりを入れて一息与えてくれる市川作品の遊びは無かったけど…

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