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シャルウィーダンス-2

2009年04月22日 07:20

主人公は郊外に戸建て家を持ち、妻と娘と暮らす。都心の会社に通勤するありふれたサラリーマン。まさに当時の自分そのもののような。仕事に疲れ、身を委ねる夜の通勤電車。停車し、ふと。遠目。物憂げな女性の横顔。あてどない眼差し。美しく妙齢のその横顔。一瞬。男の情熱の燃え殻にチラチラと炎が沸き立つがごとく…
それだけのことで、衝き動かされるように。そこは、ダンススクール。彼は、決心を振るい扉の前に立つ。物語は始まる…
とにかくバレリーナ草刈の清楚で研ぎ澄まされたガラスのような美しさは格別。この映画の為だけのの比類なき女優。監督が惚れ込むのも無理はないか。主人公と被るしがない中年男には彼女の存在だけで、一見に値する。それにしても映画の完成と共に彼女を自分だけのものにした監督、そこだけは許すまじ。社交ダンスのトップダンサーでもある彼女パートナーに裏切られた不幸な過去は、彼女未来を閉ざし、自らも閉ざす。男の下心を見透かした彼女は、彼にも強く心を閉ざす。しかし、契機が彼女の存在であったにしても、火のついた情熱に忠実に。やがてダンスの世界に目覚め、魅入られ、のめり込む男。彼の再生の、これからを生きていく証し。無器用でひたむきな努力。その純化した情熱は、彼女の閉ざされた心をも開き、衝き動かしていく。ホールでの彼女とのダンス。一度は競技会で挫折もする男。そのダンスは二人のそれぞれの再生と新たな旅立ちの出発点…
様々に抱えるものがあって、スクールに集う人々。スクールで傾けられるダンスへの情熱の燃焼は、彼等の人生もそれぞれに再生させ、彩っていく。
数ヵ月に及んだ厳しいダンス特訓など作り込みの確かさは、映画にリアリティーを与え、埋もれていた社交ダンスの世界にも光をもたらした。ブームの到来は、映画のメディアとしての力、文化を形作り育てていく力を示した。なにより映画を不倫話などにせずに、結果として家族にも再生をもたらす物語とした。監督に脱帽。
実際、バブル崩壊後の企業社会の混乱のなかで惑い、さ迷った自分。その生き方に強い示唆を与えてくれた。演技の、時にはダンスのレッスンスタジオで流した汗。燃やした夢、その情熱。再生…

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