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しせん

2011年07月13日 10:55

いる・・・
真理は固く瞼を閉じたまま、ゆっくりとショーツをおろしはじめた。
両サイドよりほんのすこしお尻よりの縁に手をかけ、わずかに腰を持ち上げてするっと・・・
薄桃色のお尻、その間の赤い花びら
見られてる・・・しかもすぐ近くにいる。熱い・・・あそこ、熱い、早く、早く触りたい!)
真理は自分を焦らすようにゆっくりとショーツを下ろしていく。
揃えた両脚をわざと持ち上げて、まるで見せ付けるようにショーツを脱いだ。
(見て・・・わたしのあそこ、見て!)


「だめ、もう我慢できない」


両脚を広げ、その中心に両手を当てた。
前方より右手、お尻から左手をまわし、突起と花園へ指をのばす。


「すごい・・・こんなの、ああ、すご~い」


両膝の間にあるはずの巨大な眼球にむかって真理はいった。
透明な液体が迸り、瞬く間に達してしまう。


「ふ~ふ~」


ガクガクと震える身体を静めようと大きく息を吐いた。
(どうしよう・・・)
真理は迷っていた。
目を開こうか・・・
しかし、悩んでも仕方ないことに気づく。
ずっとこのままってわけにはいかない。
いつかは目を開くことになる。
覚悟を決めてそっと瞼を開いた。
(ま、まぶしい・・・)
しばらく部屋の明かりになれるまで、まっすぐ天井を向いたままにしていた。
眼球だけで天井の四隅を見回してみるが、そこに異変は見つけられなかった。
(いないのかな・・・)
だが確かな感触を持った場所はまだ確認していない。
それは、いまだM字型に開かれた両脚の間だった。
脚を閉じようとも思ったのだが、あれに触れてしまったらどうしようという迷いがそれをさせなかったのだ。
やっぱり最初は目で確認したかった。
ようやく明かりに慣れた真理は、ゆっくりと視線を足許へと移していく。
まずはじめに膝頭が目に入った。
続いて白い太腿が見える。
そして黒い繁みが・・・
(ない・・・)
開かれた太腿の間にはただ壁紙が見えるだけだった。

(いるわけない・・・よね)
冷静に考えれば答えはわかっている。
ストレスのせいだと思い込もうとした。
(でも・・・)
でもあの体験はなんだろうと思う。
今までのどんな性・体験よりも気持ちよかった。
身体が熱くなった。
(わたしが望んでるの?)
真理の思いはそこに到達する。
(ま、まさか・・・見られたいって思ってるの?)
首を強く振ってその考えを否定した。
(ばかな!だいたい何を見て欲しいって思うのよ・・・私はそんな趣味はないよ)
だが、白いシーツには大きな染みがついていた。
さっき放出したものによる染みのはずだ。
真理は汚れたシーツを洗濯機に入れようとダルそうに起き上がった。
そしてもう一度自分の作った染みを見つめる。
(えっ?)
染みの形状が気になった。
野球ボールくらいの大きさだろうか。
その分だけ丸く乾いていた。
まるで何かがそこにあったかのように。
(どういうこと・・・?)
シーツをつかみあげて、もう一度確認してみる。
やっぱり円形に染みができていない。
その周囲は恥ずかしいほど濡れているのに。
(やっぱり・・・やっぱりあったんだ。そこにいたんだ。あの眼球・・・)
真理の意識が薄れていった。
そして、そのままベッドに倒れこんだ。


・・・


カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。
その清らかな光が真理の顔に降り注いでいた。
(まぶしい・・・)
真理は目覚めた。
(あれ、いつの間に・・・)
昨夜のことを思い出す。
(そうか、シーツの染みが)
問題のシーツは真理の手にしっかりと握られていた。

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