第十二節　　　結衣、30歳

夢を抱いて-73／健人と結衣の夏


子供の名前は「あかり」と佐藤が命名した
一日２回どころか、ひなたが女の子を産むまでの６ヶ月、佐藤は日に３回犬の散歩に翔太と一緒に出掛けた
そのお陰か体重が３キロ減り、腹回りの贅肉も落ちた
「犬の散歩はてき面ね。このお腹、見て」
フェラチオをされている時、そうひなたに撫でられながら言われた



佐藤の息子の嫁である結衣が、その同じ月に３０歳になった
村の儀式に参加しなければならない
結衣は嫌で仕方が無かった
しかし、断われないのも分かっている

夫の喜信との夜の営みにも不満は無く、子供を２人産んでからも月に２・３度はあった
何で今更、童貞を卒業させなければならないのよ
「このご時世に馬鹿じゃない」と一人考えていた
その連絡は８月のお盆前、急にやって来た



指定された場所に昼過ぎに行くと、若い男が立っている
「ご飯は済んだ？」
「はい」
「私、佐藤結衣。ゆいと言うの・・・・・聞いてる？」
「聞きました」
「今日は何をするのかも聞いているわよね？」
「はい」
「行こうか」


ホテルに入るや否や、その若い男は抱き付く
口を合わすと、舌で女の唇を舐める
「ちょっと待って。お願いだから焦らないで、ゆっくりにして」
「ご免なさい」
「健人君は経験があるの？」
「いえ・・・・・キスだけ」
「そう。だったら付き合っている女の子はいるのね？」
「はぃ」
「同級生？」
「そうです」
「同じ高校？」
「はぃ」

「その子とするかも知れないわね？・・・バージン？」
「そう思います」
「うん、だったら初めての子とする時の為に、今日はおばさんが色々教えてあげる」
「お願いします」
「洗ってあげるから、お風呂に先に入ろうね。お湯を溜めてくる」


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