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冬の彼方へーーー弥生の空6

2015年03月16日 02:29

美紅と安井は交わった後それぞれの座席に戻った。
しばらく無言で衣服を整える。
先に口を開いたのは美紅からだった。

「安井君…私達やっぱりこんなことしちゃいけなかったよ…」
「…そうだよな…褒められたことじゃない…」
「同じ会社内で…安井君は私と何もなかった、って…
誰にも知られないように普通の顔で通せる自信ある…?」
美紅は不安になり聞いた。
「お互い知られたら困るしそれは誓うよ…。
美紅ちゃん…俺言ってなかったけど…
同期で入社してすぐに美紅ちゃんのことが気になって仕方なかった…
自分の気持ちを伝えることもできなかったよ。
美人で仕事もできる人に、もし告白したとしても嫌われるんじゃないかって…。
だから俺、それから仕事に打ち込んで紛らわしたんだ。」
安井の口から以外な告白を聞かされて美紅は少し戸惑った。
安井だって背も高くやること全てがスマートに見えていて、
女子社員の間では憧れを持つ者も多かったのだ…。
「そのうち美紅ちゃんは結婚しちゃってさ…
少し後悔したよ…嫌われてもいいから気持ちを伝えておけば良かった、って…。
まあそのうち俺も彼女ができて結婚したわけだから、今はそれで良かったと。
だけど今日美紅ちゃんの寝顔を見てしまうと抑えられなくなっちゃってね…
自分のものにしたいって思ってしまった…。
嫌われたかな…。」安井は少し淋しそうに窓の外に目をやって言う…。

「嫌いとかはないし、そう思ってくれてた気持ちは嬉しいよ…
それは嘘じゃない…でも…今日の事はこれきりにしよう…?
お互い結婚しているし、身体の関係で安井君の事を不自然に意識してしまうのが嫌…。
今まで通り同期としての関係でいたいと思う…」
「わかってる…そうするよ。ごめん…美紅ちゃん…
誰にも言わない。今まで通りでいるのが一番いいね…
もう帰ろうか…遅くなっちゃうと変に思われる」
安井は何かを吹っ切るようにそう言うと車のエンジンをかけ、
空調をデフに切り替える…情事の間に車のガラスが曇っていたのだった…。

そして二人は会社への帰路についた…。

このウラログへのコメント

  • けろ 2015年03月16日 15:51

    なんて会社だ(´・ω・`;)まあ僕も同じ会社の女子社員四人とやりましたが。うち二人は社内で。(汗)

  • ジョシュア 2015年03月17日 00:52

    > けろさん

    何てこと^^;
    事実は小説より奇なりですね(^_^;)
    さすがけろさんですね~(≧∇≦)

  • けろ 2015年03月17日 03:28

    今はもうそんな事ありませんが、他人事に思えないので、毎回ドキドキ読ませて頂いてます。(*^^*)

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