冬の彼方へーーー弥生の空1

「如月君ちょっと…」
「はい、何か？課長…」美紅は呼ばれて成田の机に近づいた。
「実はたのみがあって…実は次の仕事を安井君とこと共同でやることになったんた。
で、お客さんにまだ顔合わせしてなくてね。
如月君昼から1~2時間あるかな？
初めての訪問、安井君と二人で挨拶してきてくれないかな？」
「時間は大丈夫なので挨拶行くのは構いませんよ。
少し打ち合わせした方がいいでしょうか？」
「う～ん、そうだね、簡単に打ち合わせしてから行ってもらえる？
頼んだよ。安井君が大体把握してるから聞いておいて欲しい。」
「了解です。じゃあ後ほど聞いてみますね」
美紅は答えた。
安井は隣りのチームで主に小規模のクライアントを担当しており営業範囲が広い。
そして普段あまり接点が無いが、美紅とは同期でもあった。

「安井君、後で今日の段取、2~3聞いてもいいかな？」
美紅は隣りのシマに行き、デスクワーク中の安井におもむろに聞いた。
「ん？あ？なんだ美紅ちゃん。段取ね。後で打ち合わせする？
何なら今からでもいいけど…ミーティングルームとっとこか？
そんなに時間かからないよ。」
安井が言う。
「じゃあ、10分後からとっといてもらおかな？
お願いしとくね。よろしく。」

間も無く安井が知らせてきた。
「あ、美紅ちゃん、ミーティングルーム塞がってたから応接室代わりに押さえたんだ。
ってことで応接室でよろしく！」
「あそうだったんだ、了解。ありがとう、後で行くね…」美紅は答えた。