記憶-19／触らせてくれる？

「まだなの？」
「そんな簡単には」
「もう、嫌になる」
「ヌルヌルしてないので」
「そんな・・・よく文句が言えるわね」
あっ、上から唾を垂らした
何回も先に落ちて来る
「これでヌルヌル」
「はぃ、気持ちよくなりました」

もうひとつの手が根元を揉みだした
これはいい・・・これなら往ける
「あー掴みたい、摩りたい、友里子さんの胸」
手の届く所に有るのに
「一寸、何で名前、知ってるのよ」
「聞きました・・・気持ちいい」
「イク、出る」
ティッシュを掴むと先に被せた

あー、拭いてくれている
うん？・・・事務的では無い、優しい
「さあ、出して」
「出てすぐは出ません」
「そうだった。尿道が狭まるまでは出ないよね」
「はい」
一分もしない内に出始めた
「オシッコは溜まっていたみたい」
どう言う意味？・・・前のは少なかった？
「ご免なさい・・・有り難うございます」


ドアの所でこちらを向く
「手が使える様になったら・・・触らせてあげる」
そう言うと足早に出て行った
触るだけでは済まさないよ、友里子さん
一つ楽しみが出来た
そうで無いと、こんな長期の入院やっていられるか


今日で一週間目
月曜の朝食も友里子さんが食べさせてくれます
食後のオシッコも
気の所為か？・・・今までより掴み方が違う
指３本で摘んでいたのが、掌で掴んでいる
然も、肩に少し胸を付けて来た
これは、またしてあげる、いや、したいの意思表示か？
そう考える事にします