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花見

2007年03月30日 09:23

花見

先日、花見に出かけた。

満開の桜の花の下、ござの上に持ち寄りのご馳走を並べ見知ったものが集い、飲み、喰い、歌い、踊る、というものであれば喜びも増すというものもあろうが異国ではそうはいかないようだ。 勿論、様々な国にはその国で花見という習慣、伝統はあるに違いない。 ここでいうのは日本の花見だ。

しかし、日本のなかでも各地、古今の様子に違いがあるので一概には言えない部分もある。 ゆったりと親戚が老若男女50人以上も集い地方の旧跡で一日のんびりと過ごした私の極私的花見の記憶はもう50年以上前のものでしかない。 

毎年個人的には日常生活の折々、あちこちで美しく咲く花を眺めては思いにふける時を持つのだが今年は異国の日本人が集う花見の会に招かれた。 アムステルダムの南端に日本人が4000人ほど住むアムステルフェーンという市がある。 オランダ全土でも合計で6000人程度だというのだからその集中度はかなりなものだ。 しかしその人々はほとんどがここで何年かを過ごし日本に帰国するかまた世界の各国に赴任していくという日本企業駐在家族がほとんどであるのだが、しかし、これだけ数が揃うと市当局も日本との関係は無視できず様々に経済、文化交流の努力に力を入れている。 この日も来賓は近辺の3市代表、前のオランダ首相日本大使の顔も見られた。

7年ほど前にここに住む日本人婦人会の掛け声からこの市役所の近くにある公園の一部に400本の桜の苗木を植え将来には花見ができるようにと計画したらしい。 当時、日本の戦後補償の問題が依然とくすぶっており、特にビルマのタイメン鉄道建設の犠牲者、旧蘭印捕虜収容所における待遇従軍慰安婦などの問題をめぐりオランダでは日本の態度が十分には理解が得られていない背景もあり地元の被害者からこの公園における桜の植樹に反対の声があがりこの計画が難航したという経緯も記憶に新しい。

政府間の思惑はどうであれとにかく市の尽力で植えられた400本の苗木は7年間では育ったといってもまだ十分両手で作った指の輪の中に入って余るくらいで、十分に蕾はつけているもののあと十年もすれば美しい若木にはなると思われる若木だ。 毎年この時期にこの会が開かれるらしいのだがあと2週間ほどすれば八分咲きから満開になって十分我々の目をたにしませてくれるのだろうが市当局の都合ももあるのだろう毎年この時期なのだという。 私は今回初めて出かけたのが毎年参加する人の話によると雨が降る寒空の下で小さな硬い蕾だけのときも多かったとかいうことだ。

今年はまことに暖かく麗かな日差しで400人ほどが集まり400本が回りに植わった中で4分咲きの木も幾つかある、今までで一番花見といってもよい出来だったらしい。 ひとしきり眺めた後、ゆっくり市庁舎にもどり冷酒と日本のつまみ各種の振る舞いをうけた。 勿論、そこでは尺八三味線演奏もありひと時、日本情緒を味わった。

この日の夜、くしゃみが止まらず翌朝から二日ベッドから離れられず8ヶ月ぶりかで風邪をひいたようで妙な次第になり春の惑乱かと訝った。

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