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外国人居住者

2007年03月08日 11:11

外国人居住者

いつものようにインターネットで日本のニュースを見た後、新聞を眺めていたら日本の中の外国人滞在数が200万人を超えて地方ではブラジルなどからの労働者が増えている自治体がありその子女に対する言葉の不自由さに対する対策費の増加が望まれる旨の記事が見られた。

少子化が進む日本の産業構造ではかなりの部分を外国人労働者に拠っているというのはすでに80年代から言われている。 そのころ数年間日本、名古屋に滞在していたイラン人が近くで小さなスーパーをこの何年か経営していてときどきクスクス、米、果物などをそこで買うのだけれど50代中ごろの主人は片言の日本語ができるから他の客に話せることを自慢にしているのだが、これに限らずオランダでは16,17世紀以来外国人が社会のなかでは欠くことのできない構成員となっているのは当然のこととされている。

ヨーロッパでは70年代からからはモロッコ人、トルコ人、の出稼ぎ、移住労働力低賃金労働の注入として奨励したことから多くが住み着きそれも今は三世代にもおよび産業の基幹部分をささえ、その子供たちもこの国で生まれ教育をうけオランダ国籍をもちオランダ社会に同化するというプロセスをたどるのだが問題がないということではない。 異文化、宗教言語の問題から教育制度の中でもこれらの要素への対応の遅れから卒業後の就職率の格差が問題となりひいては社会問題同化政策の困難さの要因となっている。 それに加えこの10年の中東に端を発する戦争、宗教上の違いから厳しい政治問題にまでなりきな臭くもなり、それに加えヨーロッパ統合のあおりで今までに比べると教育程度の高い低賃金労働者が旧東欧諸国から合法・半合法的に雪崩を打って西ヨーロッパに流入しておりこれも同化政策への問題となっている。

私はオランダに長く住んでいるもののオランダ国籍を当分はとるつもりがないものだから永久滞在許可はあるものの異邦人である。 この国の仕組みはかなり承知しているものの部外者であるのだが、しかし、今のステータスでは地方市会レベルの選挙権は与えられており、今日たまたま何度目かの投票に行ってきた。 今日のは州選挙でこれはオランダ第一院(参議院選挙であるからこれには選挙権はないものの自分の町の、町の中心を、それでなくても混雑して朝夕のラッシュアワーにはバスと通勤の自転車で込み合い、危険でもあるところに市電を通すかどうかという案に賛成、反対の決着をつけるためのレファレンダムのために近所の小学校に小さな子供たちが遊ぶ校庭を横切ってその小さな体育館投票したのだ。 地元の利益を急ぐあまり、危険で無茶な案だと考え反対の票を投じたのだが夜の結果発表でも住民の多数が反対して今回はそれが廃案となった。

外国人政治参加、ということではそれはもう外国人の参加とはいえない一歩進んだ事情が進行している。 移民の子弟が各政党参加してこの前の選挙の後今の新しい内閣にも何人か入閣している。 たとえば同化政策担当大臣、モロッコトルコ、ほかに旧植民地であった南米スリナムインドネシアを背景としたオランダ国籍をもつ市民の地位向上を担当する大臣などが二重国籍をもつもので国政を預かるものとしては不適当だというのだ。

外見は外国人に見えてもオランダ人であり明らかに地のオランダ人と違うということは外見でわかるだろうが、ここで問題を複雑化しているのは国籍の問題である。 内閣に入閣したうちで2人ほどが二重国籍だというのだ。 けれどオランダは日本とは違い二重国籍を認めており他の多くの国と同じく重なる国籍というのは100を超えるらしい。 だから担当大臣が二重国籍でもいささかも問題はない。 それが大勢なのだが右翼政党から、極言するとオランダを裏切ってもう一つの国籍の国、父親の国の利益のために寝返るおそれがあるからオランダ国籍だけにしろ、とまくし立てた。 それで国民のかなりの部分が動揺してその担当大臣を擁する連立内閣労働党の票が数パーセント今日の参議院選挙で落ちた。

議論はばかばかしいものでまともな考えをもつものは、国粋主義的なそのような言に耳を貸さないのだが皆がそうだということでもなく、また、それをいうならアメリカやその他の国々で活躍するオランダ国籍とその国の国籍をもつ政治家企業家たちにもオランダ国籍を放棄しろということになり国際社会の中で異文化、異国の橋渡しに貢献することになる人材にも足かせをすることとなりそれはかえって国粋主義者にも自国の国益を阻害するものとして自説に反することとなるのだが短慮の目にはそれが見えないようだ。

私たちの子供たちも日本政府事情から近々どちらか一方の国籍を放棄せざるをえないこととなる。 今のままでは日本国籍の放棄ということになりそうなのだが、異文化の架け橋となりうるものを切り離すということでは残念なことではある。 今日の新聞の記事から思われるのだが、日本の国内の外国人政策はどのように行われているのだろうか。 犯罪、保安、コミュニケーションのみに目をおいただけのように見られる現状にはいささか貧しい思いをさせられ、将来確実に外国から流入して就職、永住する労働力に頼らざるを得ないときにはそのときのことが心配になる。

夜中に燃えないごみの2週間分をためた緑色の車輪がついた1m30cmほどのコンテナーを角の決められたところにガラガラ引っ張っていったのだが、その近くに止めてある車のナンバーは何ヶ月か前に越してきたポーランド人の家族のものでありその家族も出稼ぎで忙しく働いているのだろうがそのうち定住してオランダ人になるのかもしれない。

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