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兄弟今年も!

2013年03月21日 08:04

兄弟今年も!

不動4番や!阪神新井良、貫禄タイムリー

サンケイスポーツ3月21日(木)7時51分配信

 (オープン戦阪神2-4広島、20日、レクザム)不動の4番や-。阪神新井良太内野手(29)が、四回無死一、三塁からの適時二塁打を含む2安打オープン戦通算打率を・340とし、この日1軍昇格した兄・貴浩内野手(36)とは、すでに立場が逆転したことを印象づけた。和田豊監督(50)も改めて猛虎打線の「顔」に良太を指名だ。

 降りしきる雨も気にならない。バットを高々と構え、鋭い視線をマウンドに向ける。相手投手を目で威圧すると、甘い球は逃さず一閃。新井良が、力強くとらえた白球は、レクザム=高松=の右翼線へ。外野の芝を転々とした。

 「しっかり準備して臨んだ結果がああいう形で出て、よかったと思います。食らいつく? それしかないんで。その姿勢しかないので」

 3点を追う四回だ。無死一、三塁。広島の先発・中崎のカウント1-1からの3球目、外角138キロの直球を逆らわずに右方向へ、適時二塁打となった。4番の条件である勝負強さをアピールするとともに1軍昇格し、5番に入った兄・貴浩につないだ。

 圧巻は八回だ。3番手の抑え候補のミコライオの150キロを超える剛球に力勝負を挑んだ。内角の直球をフルスイングするとライナー性の打球は、左翼フェンスを直撃した。

 「速い真っすぐを打ち返せたのは収穫。あれはよかったですね」

 したたり落ちる汗には、充実感がにじんでいた。今季初の兄弟でのスタメン。過去の実績では兄に負けるが、すでに立場は逆転している。この日も2安打1打点と躍動し、オープン戦の打撃成績は打率・340(50打数17安打)で4位だ。

 指揮官が明確にジャッジした。復帰した兄に対して「まだ実戦不足。もう少し打席に立たないといけない。本来のキレまでいっていない」とシビアだった和田監督。だが、弟の良太には「しっかり結果を出している。ずっといい状態をキープしている」。さらに4番は固まってきたか? と聞かれて「そうやね。そうです。それ以上は言えません」。改めて新井良を4番と位置づけた。

 昨季途中から任せられた4番。兄・貴浩が不振となり、他に任せられる選手がおらず、新井良に白羽の矢が立った。スコアボードに「4番・新井良」が表示された際、一番驚いていたのは良太本人だったという。頭が真っ白になっていると、兄から「いい経験だと思って、がんばれ」と言葉をかけられた。4番目の打者、いい経験-。そう思い、ただひたすら結果を追い求めていたが、いつしか4番は定位置となっていた。

 「4番? それは監督やコーチが決めることなんで、僕は何もない」

 新井良は、打順にこだわりはないことを強調したが、周囲の誰もが一番の適任者と認めるまで飛躍を遂げたのも事実。4番争いで“兄弟ゲンカ”と呼ばれたのは過去の話。8年ぶりのリーグ優勝へ。主役は福留でも西岡でもない。良太が打線をけん引する。

最終更新:3月21日(木)7時51分

サンケイスポーツ

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