- 名前
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- 基本的にメル友募集ですがご近所ならば逢いたいぜ。 クリエイター気取りのバカです。 ラ...
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【魔法少女っ】64-4、サダム、砂漠の牙!
2012年03月13日 19:38
合体魔法に耐えるサダムの装甲が呆気なく切られ、へこむ。
「シンフォニースォードは音撃のやいば。硬いものは切り裂くですっ」
「打撃のインパクトの瞬間に冷気魔法を小さく発動!瞬間的にボコるよ~」
闇の魔法少女の戦い方だった。
「二人とも、すごいですわ」
「お嬢様もそろそろ……」
サラの手に宝石箱が転送される。
手続き略。
「魔法少女デイトナ、エリザベスシルエット!」
ドレス姿にフォームチェンジした千歳。
「ヤバいヤバいヤバいヤバい!」
「傷口からダメージを与えるですわ」
サダムを取り囲み、三角陣形になる三人。
イメージで手を繋ぎ、合体魔法を仕掛ける。
「装備をパージっ」
考えあってか、武器にしていた部下を外して、投げるサダム。
陣形で取り囲まれると、なんとなく動けない錯覚になった。
「ハーモニー・ヒーリング・エクスプロージョン!」
熱と冷気と風の合体魔法。それにこのフォームならではの癒しのパワー!
ちゅどおおおおん
「うおおおおおお!」
苦しむサダム。
「はああああああ~!!!」
浄化を念じる三人。
「うおおお!」
堪えきって立ち上がる、サダムの巨体!
「機械化による、合理的で効率的な安定した世界が、わしの願いだっ~~」
最後のチカラを振り絞るかのように叫ぶ。
「ならば、ある意味、その願いは叶っているわね」
と返す麻衣子と
「でも、その願いは叶うわけにはいかないよ」
と返す小春だった。
「この人間の暮らす世界では、その昔に比べたら、機械化が進み、生活は比較的便利になった。でも、その便利が嘗ての不便だったことを忘却させてしまったのよ。それは、合理的ではないわね」
「それに、どんなに機械化されても使うひとは心を持たなきゃなんだよ。暖かなぬくもりを忘れるなんて駄目だからね」
「…………」
サダムは黙った。
どぐわしゃああ。
そして力が抜けたようになり崩れるように倒れた。
「電池切れ、ですわね」
機械化をなし得たにも関わらず合理化でなかった例を彼自身が起こして体験したのだった。
「オッサン死んだん?」
「いや、生きてますわね」
気配はちゃんとする。
「でも、もはや話したりはできないわね」
麻衣子は先刻言ったバックアップの話をする。
サダムは生活のために以前のからだを予備的にとっておくべきだったのだ。
「この巨体を充電する方法もバックアップの取り方も彼の頭の中だろうけど、それをアウトプットする手段もなくなった。永遠の孤独よね」
「それって死ぬより悲しいね」
どかっ!
ポロっ。
小春がサダムの胸をどつくと、何か部品が胸から取れ落ちた。
ちょうどスマートフォンくらいの大きさだ。
「独りにしないよ、オッサン」
続く!
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