- 名前
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【魔法少女っ】63-1、終わる日常(せかい)。
2012年03月03日 17:35
永遠に続くものはない。
何事も始まりがあり、終わりがある。
突然だが最終章だ。
というわけで今回はこれまでの出来事を振り返って、いろいろ考えてみたいと思う。
ばきゅーん
ばきゅーん
ばきゅーん
……と台本を読む茜だった。
「なんなんだ~その脚本」
小春が尋ねる。
「あらゆる表現規制に対する批判を番組打ち切りの最終回に皮肉を交えて行ったテレビ番組の台本だそうです」
「マニア垂涎の品物ですわ。その回はDVD化されていませんのよ」
というわけでここは演劇部部室。
部長の小春を中心に、これからの演劇部(および演劇部に併合されたデザイン部)の運営について話し合っていた。
3月に卒業生にプレゼントする卒業記念公演と4月に勧誘を兼ねた新歓公演を予定している。
その他にも孤児院や老人ホーム等の慰問公演とかもオファーされたり飛び込んだりもあり得る。
存外忙しい。
とても魔法少女などしてる余裕はない。
水泳部と兼部してる千歳にも配慮しないといけない。
「先輩がたはすごいなぁ」
小春は本棚を見上げてごちた。
「謀らずも大ピンチ」
一方その頃。
麻衣子は一通の封筒を開けられずにいた。
「……おや、届いたのか」
有希が麻衣子のクラスにからかいに来た。
「開けられないのよです、先輩」
それは先日受けた入試の結果通知だ。
「……開けられないなら、開けないといい。……しかしどのみち運命は待ってはくれない」
有希が言いたいのは、封筒はいつまでも開けないわけにいかないと言うことだ。
結局、麻衣子はその日も封筒を開けなかった。
神社。
「神社、かぁ」
今さら何をお祈りするのだろう。以前レイチェルに言われた事だ。
でも教会や神社を頼るのは、人間としての弱さなんだろうか。
「あ。先輩いらっしゃい♪」
教会のレイチェルとは対称に、神社の葉子は快く迎えた。
「特に願い事はないのよ、悪いわね」
「いいんですよ。足しげく通ってくれただけで嬉しいもんなんですよ」
雪と落ち葉を箒で掃きながらにこやかな葉子。
葉子は小春の友人のひとりだが、小春の人柄は伝染するものなんだろうか。
「そうだ。先輩のファンだって子が遊び来てるから。おーい」
葉子は境内に響くように誰かを呼んだ。
「はーい。あ!麻衣子だ!」
「まぁ、ネロじゃない」
箒を持ったネロが現れた。
「麻衣子先輩に逢えて良かったね~。手伝ってると良いことあったね~」
「む。葉子、感謝だ」
掃除を手伝わされた割りに嫌な素振りのないネロ。小学生の割りに稀有な心がけだと麻衣子は感心した。
「わたしも逢えて嬉しいわ、ネロ」
なでなで…。
「えへへ……」
麻衣子はネロが敵の大ボスであるとは知らない。
「麻衣子はこの街からいなくなるの?」
「こら、少年!」
受験について訊かれたので麻衣子は返答について困った。
「それなんだけど、確率は五分五分ね。でも……」
返答に困った。
麻衣子は「完全に街から出るわけでない」と言おうとしたのだ。しかし、結果通知の封筒を開けてない今それを言えば、なんだか言い訳がましくなる気がしたのだ。
「ごめん、麻衣子。余がぶしつけだった」
「謝る事はないのよ。わたしの問題なんだから」
なでなで…
「えへへ」
続く!
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